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増し
「増し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
増しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
部を改築し、一八九六年にはモンドが「デビー―ファラデー実験室」というのを南に建て
増しをした。その後ヂュワーが低温度の実験をしたとき重い機械を入れたため、多少の模....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
び》をさされはしないかと云う、懸念《けねん》も満更ないではなかった。が、それにも
増して堪え難かったのは、念友《ねんゆう》の求馬を唯一人|甚太夫《じんだゆう》に託....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
られるとなると、容易ならない支出である。あるいは、そのために運上《うんじょう》を
増して煙管の入目《いりめ》を償《つぐな》うような事が、起らないとも限らない。そう....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》にいない。痰《たん》も馬琴の浴びた湯に、流されてしまった。が、馬琴がさっきにも
増して恐縮したのはもちろんのことである。
「いや、うっかり話しこんでしまった。ど....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《わだち》の下に往生を遂げたら、聖衆《しょうじゅ》の来迎《らいごう》を受けたにも
増して、難有《ありがた》く心得たに相違ない。されば父上の御名誉も、一段と挙がろう....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
詣でたものじゃ。所がその願《がん》は少しも通らぬ。すると岩殿と云う神は、天魔にも
増した横道者《おうどうもの》じゃ。天魔には世尊御出世《せそんごしゅっせい》の時か....
「少年」より 著者:芥川竜之介
たように誣《し》いるのはいつもの川島の意地悪である。――こう思った彼は悲しさにも
増した口惜《くや》しさに一ぱいになったまま、さらにまた震《ふる》え泣きに泣きはじ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が、その声がまだ消えない内に、もうあの猪首の若者は、さらに勝敗を争うべく、前にも
増して大きい岩を水際《みぎわ》の砂から抱き起していた。
四
二人はこう云う....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
》いた晩がはっきりと思い出されたそうです。しかし店は忙《いそが》しい。子供も日に
増し大きくなる。銀行にも多少は預金が出来た。――と云うような始末でしたから、とも....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
は、半白の頭を傾けた。年よりもふけた、彼の顔は、この頃の心労で一層|皺《しわ》を
増している。――林右衛門の企《くわだ》ては、彼も快くは思っていない。が、何と云っ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。彼の心には、こういう覚悟と共に、ほとんど常軌を逸した、凶猛な勇気が、刻々に力を
増して来た。相手の太刀を受け止めて、それを向こうへ切り返しながら、足もとを襲おう....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、挨拶さえしなかった友だちなどが、朝夕遊びにやって来ました。それも一日|毎に数が
増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
弊《ごへい》があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを
増して来たのである。この時、誰かがこの下人に、さっき門の下でこの男が考えていた、....
「或る女」より 著者:有島武郎
った。実際男の一文字眉《いちもんじまゆ》は深くひそんで、その両眼はひときわ鋭さを
増して見えた。それを見て取ると葉子の心の中はかっとなったが、笑《え》みかまけたひ....
「或る女」より 著者:有島武郎
とく葉子に近づいた。それが双鶴館《そうかくかん》からの出迎えだった。
横浜にも
増して見るものにつけて連想の群がり起こる光景、それから来る強い刺激……葉子は宿か....