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増長
「増長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
増長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
な心もちは、煙管なり、それによって代表される百万石なりを、人に見せびらかすほど、
増長慢《ぞうちょうまん》な性質のものではなかったかも知れない。が、彼自身が見せび....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》の大海に、没在《ぼつざい》していると考えるのは、仏弟子《ぶつでし》にも似合わぬ
増長慢《ぞうじょうまん》じゃ。『
増長驕慢《ぞうじょうきょうまんは》、尚非世俗白衣....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。振り分け髪の時分から、飽くまで意地《いじ》の強い目はしのきく性質を思うままに
増長さして、ぐんぐんと世の中をわき目もふらず押し通して二十五になった今、こんな時....
「星座」より 著者:有島武郎
経験のないところに感動するってわけはないでしょう」
彼は自分ながら皮肉な気持の
増長するのを感じた。
おぬいさんはほっと小さく気息《いき》をついた。そしてしば....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
素丁稚のように難有いもんだと思っているのか。馬鹿だから、己が不便を掛けて置きゃ、
増長して、酒井は芸者の情婦を難有がってると思うんだろう。高慢に口なんぞ突出しやが....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ければならない。眇たる丸善の損害は何程でもなかろうが、其肆頭の書籍は世間の虚栄を
増長せしむる錦繍|綾羅と違って、皆有用なる知識の糧、霊魂の糧である。金に換えたら....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ろう、芝居もので。 肩をむずと取ると、 「何だ、状は。小町や静じゃあるめえし、
増長しやがるからだ。」 手の裏かえす無情さは、足も手もぐたりとした、烈日に裂け....
「転機」より 著者:伊藤野枝
だ。そして、私が一つ一つそれを黙って切り抜けるごとに、卑劣で臆病な俗衆はいよいよ
増長して調子を高める。しかし、たとえ千万人の口にそれが呪咀されていても、私は自身....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
警察に対して急に強くなりました。そして一つ警察をへこましてゆくたびに彼は持ち前の
増長をそこに持ってゆきました。彼の住んでいるあたりの人達は、世間一般の人達よりは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
姉やが許へ、夜さり、畦道を通う時の高声の唄のような、真似もならぬ大口利いて、果は
増長この上なし、袖を引いて、手を廻して、背後から抱きつきおる。 爺どのは冷汗|....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
われあって、二人を待って、対の手戟の石突をつかないばかり、洋服を着た、毘沙門天、
増長天という形で、五体を緊めて、殺気を含んで、呼吸を詰めて、待構えているんでがし....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
とかた》も残らない。もしその事について影響を説けと言ったら、ただわたしの悪い癖を
増長させるだけのことだ。――実を言えば、これがわたしをして日に日に見るに足らない....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ようで、まんじ巴の中空を渡る橋は、さながらに玉の桟橋かと思われました。 人間は
増長します。――積雪のために汽車が留って難儀をすると言えば――旅籠は取らないで、....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
はない。豊国の似而非高慢が世間の評判を自分の手柄に独占しようとするは無知な画家の
増長慢としてありそうな咄だ。が、京伝は画工が威張りたいなら威張らして置いて署名の....
「迷信解」より 著者:井上円了
る場所によりて、およそその原因のある所を判断することができる。この怪事がだんだん
増長するときは、ただ投石のみでなく器物がその位置を変じ、棚下にある物が棚の上に移....