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壁
「壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
裏の上部。火のともった窓が一つ見える。まっ直《すぐ》に雨樋《あまどい》をおろした
壁にはいろいろのポスタアの剥《は》がれた痕《あと》。
29....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
白葡萄酒《しろぶどうしゅ》を床《ゆか》へこぼし、妙な顔をしてつけ加えた。
「皿を
壁へ叩きつけてね、そのまた欠片《かけら》をカスタネットの代りにしてね、指から血の....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
かけた紅楓黄菊《こうふうこうぎく》の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。
壁に沿うては、五十に余る本箱が、ただ古びた桐の色を、一面に寂しく並べている。障子....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
せた。昼見るといつも天主閣は、蓊鬱《おううつ》とした松の間に三層《さんぞう》の白
壁《しらかべ》を畳みながら、その反《そ》り返った家根の空へ無数の鴉《からす》をば....
「影」より 著者:芥川竜之介
と注がれている。
女はまだ見た所、二十《はたち》を越えてもいないらしい。それが
壁へ貼った鏡を後に、絶えず鉛筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
へり》に金を入れた白い天井《てんじょう》、赤いモロッコ皮の椅子《いす》や長椅子、
壁に懸《か》かっているナポレオン一世の肖像画、彫刻《ほり》のある黒檀《こくたん》....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ら吊るされたランプがあるだけだった。そのランプの光の中に、内陣を囲んだフレスコの
壁には、サン・ミグエルが地獄の悪魔と、モオゼの屍骸《しがい》を争っていた。が、勇....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ありません。往来に面した客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、それからまた
壁には額縁《がくぶち》へ入れたエッティングなども懸《かか》っていました。ただ肝腎....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
うほかはない。と思うとまた人を待つように、碧玉の簫《しょう》などもかかっている。
壁には四幅《しふく》の金花箋《きんかせん》を貼って、その上に詩が題してある。詩体....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
伽《とぎ》の焚《た》き物《もの》」の火が燃えさかっている。それから煤《すす》びた
壁の上にも、今夜だけは十字架《くるす》が祭ってある。最後に後ろの牛小屋へ行けば、....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
堀、横網の川岸――どこでもよい。これらの町々を通る人の耳には、日をうけた土蔵の白
壁と白
壁との間から、格子戸《こうしど》づくりの薄暗い家と家との間から、あるいは銀....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
交《か》わすこともある。女主人公はこの西洋間を「わたしたちの巣」と名づけている。
壁にはルノアルやセザンヌの複製などもかかっている。ピアノも黒い胴を光らせている。....
「初雪」より 著者:秋田滋
、あなた。ここの家はどうしても煖房を据え付けなくッちゃいけませんわね。そうすれば
壁も乾くでしょうし、ほんとうに、あたし、朝から晩まで、一時だって体があったまった....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に暖炉や黒板があり、
壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半円形になった聴講者の腰掛がな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
玉蜀黍の穂が置いてあった。乾し林檎と挑とが紐でつないで、にぎやかに花づなのように
壁につるしてあったが、なかに赤く光る唐がらしが点々としていた。ドアが一つちょっと....