壕舎[語句情報] »
壕舎
「壕舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壕舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
」と語りだした話も教師らしい生硬な語り方で、声もポソポソと不景気だった。 「……
壕舎ばかりの隣組が七軒、一軒当り二千円宛出し合うて牛を一頭……いやなに密殺して闇....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
大下五丁目町会長の熱情は、残留三百五十名という帝都内に珍らしい高率で、バラックや
壕舎があたりに群立し、再起の意気込みすさまじく、日本人かなと感じ入った。 菜園....
「女の一生」より 著者:森本薫
。 昭和二十年十月のある夜。 正面右手寄りに、之だけが完全に残った石燈籠。左手に
壕舎の屋根、舞台右手寄りに切石が二つ三つ積んである。高台と見えて地平線の空が月明....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
襲時に罹災して、一時は波多野邸に避難していたが、戸村はすぐ焼け跡に出かけてゆき、
壕舎を作って、先ず自分一人そこに住み、地主に交渉して、可なりの地面を借り受けた。....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
ことを われ山上に立つ。 ここより日本の全景を眺め讃《たた》ふべし。 焼野原、
壕舎、監獄、墓地。 ねがはくは日本よ、なんぢ朝の薄きスフの外套に包まれ、生ける国....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
が終って、日が暮れると、赤井はミネ子の手をひいて、南炭屋町のわが家の焼跡に作った
壕舎へ帰って行った。 昼間の出来事で溜飲は下がったものの、しかし、夜の道は暗く....
「神経」より 著者:織田作之助
されてほっとしたという気持よりほかに書きようがなかったので「花屋」のトタン張りの
壕舎にはじめて明るい電燈がついて、千日前の一角を煌々と照らしているとか、参ちゃん....
「烏恵寿毛」より 著者:佐藤垢石
一間しかない座敷のなかの、貧しい一家団欒の様がむきだしだ。そこで、現在の戦災後の
壕舎生活と、この食詰横町の生活と、いずれが凌ぎよかろうかと、むかし学生時代に眺め....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
んと思っているが、棟梁はお元気かな? お光 ヘヘ、お父つぁんは毎日寝ていますの。
壕舎は、しけましてねえ、又ひどくリューマチが出まして。あれやこれやでグチばっかり....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
!(兄妹の顔を真青に照らし出している強い光) 6 片倉一家の
壕舎。 地中に掘りさげたものではなくて、傾斜地に作った横穴壕を、すこし掘りひろ....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
牲だろうと思いなおし、出かけてはみたものの足が叶わず、途中川床集落の純心修道会の
壕舎で休ませてもらい、院長さんから「知らん、知らん、そんな無理ばかりして」とたし....