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士官
「士官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
士官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
って、やっぱり食う算段さ。高岡に彷徨《ぶらつ》いていたって始まらんので、金沢には
士官がいるから、馬丁《べっとう》の口でもあるだろうと思って、探《さが》しに出て来....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
りしていた。 「どうだ、おれたちも鼠狩をしては?」 ある雨の晴れ上った朝、甲板
士官だったA中尉はSと云う水兵に上陸を許可した。それは彼の小鼠を一匹、――しかも....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
るし、あほらしうもなるし、丸で子供のままごとや。えらそうにして聨隊の門を出て来る
士官はんを見ると、『お前らは何をしておるぞ』と云うてやりとうなる。されば云うて、....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
と、女なんざそれを無理にこじあけようとすると、呼吸切がしてしまうの。でも芳さんは
士官になるというから、今に大将にでもおなりの時は、その力でいくらも世間を負かして....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
尺のがきのとき、おれはいろんな望をおこした。 ああ、金持でありたいな――そうして
士官になろうとした、 サーベルさげて、軍服すがたに、負革かけて。 時節がくると、....
「狂女」より 著者:秋田滋
とになったが、その十二人のうちには少佐がひとりいた。これがまた、ひどく頑冥な老朽
士官で、鼻ッぱしの荒い、気むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごともな....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
公使が臨機の計いにして、深き考ありしに非ず。現に後日、彼の砲撃に与りたる或る米国
士官の実話に、彼の時は他国の軍艦が行かんとするゆえ強いて同行したるまでにて、恰も....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
千人針を持つて行つてみた。いろんな人が入りかわり立ちかわり面会に来るので、その下
士官室は大変混雑していた。山中自身もすくなからず応接に忙殺されている形であつたの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
った蔭から遠くその半ばが見える、円形の卓子を囲んで、同一黒扮装で洋刀の輝く年少な
士官の一群が飲んでいた。 此方に、千筋の単衣小倉の帯、紺足袋を穿いた禿頭の異様....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ムックリ起上って、そこそこに顔を洗ってから一緒に家を出で、津の守から坂町を下り、
士官学校の前を市谷見附まで、シラシラ明けのマダ大抵な家の雨戸が下りてる中をブラブ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
いう如きは皆国士の悪夢の囈語であった。 二葉亭は児供の時は陸軍大将を理想として
士官学校を志願までした。不幸にして不合格となったので、軍人を断念して外交方面へ方....
「活人形」より 著者:泉鏡花
横須賀の探偵に早替りせる銀平は、亭主に向いて声低く、「実は、横須賀のさる海軍
士官の令嬢が、江の島へ参詣に出懸けたまま、今もって、帰って来ない。と口より出任せ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
隊に行くのだから、いっそのこと軍人を少しやり、しかる後に早大に入ろうと思い、陸軍
士官学校を二回、海軍兵学校を一回受けたが、いずれも落第してしまった。早大志望は募....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の土手に登って皇居を遥拝し、夕暮の景色をぼんやりながめている……。ひとりの救世軍
士官が通りかかって声をかけた。 『“ときのこえ”を買ってくれませんか、一部二銭で....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
も、連隊創設以来一名も陸大に入学した者がないので、連隊の名誉のためとて、比較的に
士官学枚卒業成績の良かった私を無理に受験させたのである。私の希望通り陸大に入校し....