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「士農工商〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

士農工商の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
を読んで来ました。農民を軽蔑しているのではありません。むしろ、その逆であります。士農工商という順序に従えば、私は大工の息子です、ずっと身分が下であります。私は、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の人間になろうとするにゃ、ご藩士ご家中お大名仕えの者はいざ知らず、その他の者は、士農工商いずれであろうと、もよりもよりのお寺に人別届けをやって、だれそれ子どもが....
親子」より 著者:有島武郎
ぞ。商売というものはな、どこかで嘘をしなければ成り立たん性質のものなのだ。昔から士農工商というが、あれは誠と嘘との使いわけの程度によって、順序を立てたので、仕事....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
。だいたいお前は駄洒落が多すぎる。女のお洒落に男の駄洒落の過ぎたのは感心せぬて。士農工商師匠のこせついたのは見苦しいが、ことの序でに戒めて置くぞ。などといいなが....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ひとたび流血沙汰に及んだとすれば、農民達にいか程正義正当の理由があったにしても、士農工商、階級の相違、権力の相違が片手落ちならぬ片手落ちの裁きをうけて、結局悲し....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
人の待遇を等閑視するは頗る不当の言である。 今日の社会は経済的関係なるが故に、士農工商如何なる職業のものも生活を談じ米塩を説いて少しも憚からず。然るに独り文人....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
道は決して人を退嬰的にするためのものではなかったと思う。上は摂政関白武将より下は士農工商あらゆる階級の間に行なわれ、これらの人々の社会人としての活動生活の侶伴と....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
りませんわ。ぽっぽ。」 と空でいった。河童の一肩、聳えつつ、 「芸人でしゅか、士農工商の道を外れた、ろくでなしめら。」 「三郎さん、でもね、ちょっと上手だって....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのを待兼ねている。 舟の出発を待侘《まちわ》びるものは田山白雲一人ではなく、士農工商が一人二人と渡頭へ集まってひっかかる。こちらの岸もそうだから、向うの岸も....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
へ消えるのだ。私達はわざわざ正午に出かけて行って見たんだが、その四個の時計人形は士農工商を象徴しているらしい。単なる好奇な飾りだろうけれど、それにしても、生真面....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いうやつは薄馬鹿である。その薄馬鹿を守り立てて、そのお扶持《ふち》をいただいて、士農工商の上にいると自慢する武士という奴等が、癪にさわっているのであります。米友....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の坂道を、こちらへ人の下りて来るのを認めました。同じような笠が揃って四五名、まだ士農工商のいずれともわからないが、こちらへ向いて四五名が隊をなしてやって来る姿が....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に申し述べたいのは彼の国における商人の地位についてであります。 日本では昔から士農工商といって商人を最も低き階級として社会的に軽視する傾きがあるので、温泉場な....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
感ずる所のものは画工の写生に対する狂熱と事物に対する観察の鋭敏なる事なり。北斎は士農工商の生活、男女老弱の挙動及姿勢を仔細《しさい》に観察し進んで各人の特徴たる....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
得て、農民の上に立ち、工業、商業が、立派な独立の営業となった時代においても、なお士農工商と順序して、工商の地位を農民の下に置きましたのは、かかる沿革があったため....