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壮健
「壮健〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壮健の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
せい》しなければならない妻も気の毒に感じたのだ。僕は君も知っている通り、元来体も
壮健じゃない。その上僕は妻を愛そうと思っていても、妻の方ではどうしても僕を愛す事....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
を始末して、三年近く世話になった近藤家を去った。 近藤家を去った雄吉は、自分の
壮健な肉体に頼るほかに、なんらの知己も持っていなかった。彼は、その翌日からすぐ激....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
き、陰ながら案じていたが、御両人とも御無事で、何より重畳じゃ」 「お兄さまも、御
壮健で、立派に御出世遊ばして、おめでとうございます」 昔通り、お兄様と呼ばれて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。 彼女は礼をいって口に入れると、忽ちにいなないて驢馬に変じた。それはなかなか
壮健な馬であるので、趙はそれに乗って出た。ついでにかの木人と木牛も取って来たが、....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
窓の青いペパミントの値段札に全身の注意力を集めている。 「博士は、いつに変らず御
壮健で、おめでとうございます。この前、金博士にお別れをしてから、もうかれこれ五六....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
じゃ。 白糸 ああ、嬉しい、あの、そして、欣弥さんは御機嫌でございますか。 七左
壮健とも、機嫌は今日のお天気でえす。早う行って逢いなさい。 白糸 難有う、飛んだ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
今度は客の方で顔を見た。目鼻立は十人並……と言うが人間並で、色が赤黒く、いかにも
壮健そうで、口許のしまったは可いが、その唇の少し尖った処が、化損った狐のようで、....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
不明になられたと、もっぱらの評判でござりましたが、意外も意外このような土地に、ご
壮健にておいでとは、不思議な事でござりますな」 「いやそれには訳がござる」節斎は....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
陥落しないのだと、そんなように云う人間もあった。しかし参謀長のグレーの方は、益々
壮健で頭脳も明晰だから、早晩彼の策戦で、鎮江は陥落するだろうと、そんなように云う....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
った。第一回の訪問は四月の第一日曜日であったと記憶しているが、先生も奥さんもみな
壮健で、二階の十畳の応接室へ通された。そこは日本の畳の上に絨緞を敷いて、椅子やテ....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
踏み殺されて、老人と小娘ばかりが残ったのである。幸いにおもよは六十を越してもまだ
壮健であるので、やがてはおらちに相当の婿を迎えることにして、ともかくも一家を保っ....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
であろうと想像されるが、実際はそれと反対で、彼はますます肥満して入牢前よりは寧ろ
壮健であるらしくみえた。生来虚弱の者は格別、
壮健の者が幾回の拷問を凌いでくれば、....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
いと思い定め、一人の丁稚を追いまわし、女手一つで店をやっていきました。体は至って
壮健で、実にまめによく働きました。私が五歳位の時でしたろう。ふと夜中の二時頃、目....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
くれた。それに巡礼のお婆さんがある。そのお婆さんは六十五、六ですけれどもなかなか
壮健で山を駈け歩くことが出来ます。その三人と出掛けることになりましたが、ギャア・....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
も思えない、それが小夜子の心を憂鬱にさせる。なるほど達也は腺病質で弱い、夫婦とも
壮健なのに不思議だ、と、主治医も常に首を傾げている、するとやっぱり――、彼女の胸....