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「声を聞く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

声を聞くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
を持っていると、必ずそれに反比例する、いかにもやさしい声を出した。 馬琴はこの声を聞くと、再び本能的に顔をしかめた。 「原稿と言ったって、それは無理だ。」 「....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
人々には幾日ぶりかで、口に上ったのであろう。学校の慰問会をひらいたのも、この笑い声を聞くためではなかろうか。ガラス窓から長方形の青空をながめながら、この笑い声を....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
母は、慌ててその座敷へはいって来た。 「何をするんです? お前たちは。」 母の声を聞くか聞かない内に、洋一はもう泣き出していた。が、兄は眼を伏せたまま、むっつ....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
くつけき夫のみ守れる。世には情《なさけ》ある男も少からぬものをと云う。しかもその声を聞く毎に、神魂たちまち恍惚として、恋慕の情|自《おのずか》ら止《とど》め難し....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
でいた彼は、幸《さいわい》その視線に煩《わずら》わされなかった。しかし彼等の笑い声を聞くと、いよいよ妙に間が悪くなって、今更飲みたくもない水を、もう一杯手で掬っ....
槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
だらけの路を登って来たのを知っているばかりである。それが「ここが赤沢です」と言う声を聞くと同時にやれやれ助かったという気になった。そうして首を上げて、今まで自分....
或る女」より 著者:有島武郎
ででもどけてちょうだい、散らかしちまって」 この音楽のようなすべすべした調子の声を聞くと、古藤は始めて illusion から目ざめたふうではいって来た。葉子....
或る女」より 著者:有島武郎
どっちからいい出すともなく二人《ふたり》の言葉は親しげにからみ合った。葉子は岡の声を聞くと、急に今まで自分から逃げていた力が回復して来たのを感じた。逆境にいる女....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
もぎどう》に取りあつかった。お前達が少し執念《しゅうね》く泣いたりいがんだりする声を聞くと、私は何か残虐な事をしないではいられなかった。原稿紙にでも向っていた時....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
だろう。 「兄さん眼がさめて」 そういうやさしい声が僕の耳許でした。お母さんの声を聞くと僕の体はあたたかになる。僕は眼をぱっちり開いて嬉しくって、思わず臥がえ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
学研究の圏外にある人々からは、明解を求めんとする我々の努力は畢竟無駄であるという声を聞くことがしばしばある。しかし誰でも発達の経路を少し詳しく調べてみさえすれば....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た。犬は悲しげに長く吠えた。その声はさも希望のなさそうな、単調な声であった。その声を聞くものは、譬えば闇の夜が吐く溜息を聞くかと思った。その声を聞けば、何となく....
燕と王子」より 著者:有島武郎
しますと、王子もたいそうおおどろきになって、 「それは霜というもので――霜と言う声を聞くと燕は葦の言った事を思い出してぎょっとしました。葦はなんと言ったか覚えて....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
聞えて来たのは、婆さんの罵る声に交った、支那人の女の子の泣き声です。日本人はその声を聞くが早いか、一股に二三段ずつ、薄暗い梯子を駈け上りました。そうして婆さんの....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に遊んだり、幻想におちいったりするし、しばしば奇怪なものを見たり、虚空に音楽や人声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊富だし、幽霊のでる場所も多いし、うす暗い....