声自慢[語句情報] »
声自慢
「声自慢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
声自慢の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
して悪趣味《あくしゅみ》極まったが、それが愛嬌《あいきょう》になった。――蝶子は
声自慢《こえじまん》で、どんなお座敷《ざしき》でも思い切り声を張り上げて咽喉《の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た。お約束どおりまず木の音がはいると、これにて本日は打ち止めの口上があってから、
声自慢らしい呼び出しの美声につられて、ゆうぜんと東のたまりから、土俵に姿を現わし....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
い。変だなと思ってキョロキョロ見まわすと、それはホームに備え付けられた蓄音機で、
声自慢の駅夫に吹きこませたものだとわかった。 いずれ鉄道省の新しい試みであろう....
「わが町」より 著者:織田作之助
あの子を芸子にして、じつはえらいことした思てるねん……」 蝶子は器量よしの上に
声自慢とはっさい料理ことに夜店の二銭のドテ焼きが好きで、ドテ焼きさんと綽名がつい....
「だるまや百貨店」より 著者:宮本百合子
島で育てば 娘十六、恋ごころ…… と小声で唄い出した。低いけれども、信江は
声自慢で、どこでおぼえてくるのか、いろいろな唄を知っているので人気ものだった。盥....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
めていた。 やがて和讃《わさん》がはじまる。叩鉦《かね》の音が揃《そろ》って、
声自慢の男女が集ると、 有転《うてん》輪廻《りんね》の車より、 三毒《さんとく....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
前へ並べられたところは決して悪い気持ちではない。 山本|勾当の三絃に合わせて美
声自慢のお品女郎が流行の小唄を一|連唄った。新年にちなんだめでたい唄だ。 「お品....
「山の秋」より 著者:高村光太郎
。そのうち主人側では奥から大太鼓を持ち出す。それをどんとたたくと、まず音頭とりの
声自慢が先にたって、この辺ではおきまりの「ごいわいの唄」というのを合唱する。単調....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
の師匠やお囃子《はやし》連が夢中になってチャッチャッチキチと馬鹿|囃《ばや》し。
声自慢の鳶《とび》が山車に引きそい、顔のうえに扇子《せんす》をかざして木遣節《き....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
》を謡《うた》い出しぬ。客の中には覚えず声に和して手拍子を取るもあり。子爵は元来
声自慢、一揚一抑《いちよういちよく》法に適《かな》いて四壁に透徹するばかりなるが....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
酔がたけなわとなるに及んでは、周馬がいかがわしい三味線に合せて、怪しげな江戸唄の
声自慢までやりだした。 これで、酔中の妥協もついた。だいぶ酔ったらしい天堂一角....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
昨夜は汽車の中で、同行の南日君と赤羽から一緒に乗り込んだ越後女の一隊が、終夜
声自慢の謡を歌うやら笑うやら巫山戯るやら、一方ならぬ騒々しさで、夜風の涼しいにも....