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声音
「声音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
声音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
。その面上《おもて》にはいうべからざる悲憤の色を見たり。白糸は情に勝《た》えざる
声音《こわね》にて、 「そりゃあ、もうだれしも浮き世ですよ」 「うむ、まあ、浮き....
「海異記」より 著者:泉鏡花
点れたいッて、おらあ、吃驚して喚くとな、……姉さん。」 「おお、」と女房は変った
声音。 「黙って、黙って、と理右衛門爺さまが胴の間で、苫の下でいわっしゃる。 ....
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
は一つの造形的な美として吾人の心に触れてくるのである。 また精神的教養は人間の
声音をさえ変える。 我々は隣室で話す未知の人の声を聞いてほぼどの程度の教養の人....
「階段」より 著者:海野十三
のであるが、 「もう時間だ。やめよう」 と先生が俄かにこっちを見て叫んだ。その
声音が思いなしか、異様にひきつったように響いたことを、それから後、幾度となく僕は....
「海底大陸」より 著者:海野十三
その瞬間だった。 「ギャーッ!」 と、とつぜん、怪しい悲鳴が聞こえた。みょうな
声音だ。人間がそんな奇妙な声を出すのをはじめて聞いたとクーパーは思った。とたんに....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ありません。私はリーマンですよ」 姿なき者はそういった。なるほどリーマン博士の
声音にちがいなかった。僕はぎくりとしたが、同時に腹が立った。 「リーマン博士。こ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
っとしていたまえ」 とやさしくいった。 杉田はぼんやりした頭の中で、ふとその
声音に聞耳をたてた。それはたしかに、どこかで聞きおぼえのある声だった。しかも懐か....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
が、それでは、それではどうも国民たる義務が欠けますから。」 と誠心籠めたる強き
声音も、いかでか叔母の耳に入るべき。ひたすら頭を打掉りて、 「何が欠けようとも構....
「墓」より 著者:秋田滋
口はもう決して物を云わないのです。数知れぬ人間の口から出る声のなかには同じような
声音はあるとしても、そのひとの口は、もうかつてその声が語った言葉をただの一つをも....
「科学時潮」より 著者:海野十三
ックリ現れたので、一同は驚いた。いやそれよりも一層驚かされたことは、この死刑囚の
声音がすっかり違って仕舞ったことと其の話の中に盛られた内容なり考えなりが全く別人....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ある紳士が帆村の方へ顔をちかづけて、 「木村です。さあどうぞ」 と、柔味のある
声音で呼びかけた。 帆村はそのまま車内の人となった。 そして彼は、木村氏の案....
「取舵」より 著者:泉鏡花
ずる者のあらざりければ、渠は困じ果てたる面色にてしばらく黙せしが、やがて臆したる
声音にて、 「はい、もし、誠に申兼ねましたが、小用場はどこでございましょうかなあ....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
して居よう、人間動作の趣味や案内の装飾器物の配列や、応対話談の興味や、薫香の趣味
声音の趣味相俟って、品格ある娯楽の間自然的に偉大な感化を得るのであろう加うるに信....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、実際必ずその足に感ずべきところなるをもってなり。つぎに、わが睡中において不意に
声音を聞き、われわれを醒覚する人あらば、われわれはその声を聞き、感覚の器一部のみ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
んかと、思い悩みいたるうち、火取虫に洋燈消えて、こよなき機会を得たるにぞ、怪しき
声音に驚かせしに、折よく外にも人ありて妹を抱きて遁出でたれば、嬉しやお藤は助かり....