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「売品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
受け取ると、丹念《たんねん》に奥附《おくづけ》を検《しら》べ出した。「この本は非売品と書いてありますね。非売品でも金になりますか?」自分は情《なさけ》ない心もち....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
の入浴の際、特殊の方法で惨殺しようと計画した。 事件のあった日の暁、彼は自家の売品たるフィルムを一本と現像液を準備して、それに店にあった小形撮影機を一台と、パ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
朝はたくさん芋をふかして学校へ持っていった。模擬店の「若松」の係だそうだが、その売品の材料に使うらしい。何でも「若松」のお嬢さんが同級にいるとかで、その縁の出店....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
れが焼けて了ったのが一番残念です、』とKは愈々憮然たる顔をした。 目録というは売品では無い。営業上の参考書である。が、丸善が最も誇るべきものゝ一つは此外国の各....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
る書物を注文したらまもなく手紙をよこして、その本はアメリカの某博物館で出版した非売品であるが、御希望ゆえさし上げるように同博物館へ掛け合ってやったからまもなく届....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
紙を持って来て、それをテーブルの上の壁にはりつけて行った。 活版刷りだ。「酒保売品品目および価格」と大きな活字で刷って、その下に「消耗品」と「食品」との二項を....
一坪館」より 著者:海野十三
枚買っていけよ」 「あんなことをいっているよ。ぼくだって金はあまり……この画は非売品だよ。売らない画なんだ。見たまえ、ねだんの札がついていないじゃないか」 「い....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
誰が来るものか」 「誂え物は持って来たろうな?」 「へ、ご念にゃ及ばねえ。数々の売品持って参って候だ、寒くていけねえ早く開けてくんな」 「お前一人で来たんだろう....
薬草取」より 著者:泉鏡花
仁らしい姿も見えぬ。 余の事にしくしく泣き出すと、こりゃ餒うて口も利けぬな、商売品で銭を噛ませるようじゃけれど、一つ振舞うて遣ろかいと、汚い土間に縁台を並べた....
露肆」より 著者:泉鏡花
並べて売る。 「諸君、二円五十銭じゃ言うたんじゃ、可えか、諸君、熊手屋が。露店の売品の値価にしては、いささか高値じゃ思わるるじゃろうが、西洋の話じゃ、で、分るじ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
って負担をおかけする結果となり、まずそこから中村屋の商売の合理化は崩壊し始める。売品が高価となるからはそれに伴うサーヴィスとして、百貨店などのように遠方まで無料....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ない。 百貨店の経営は、そのため、都下一流の商店が着手したものであって、また販売品も相当なる品物を取扱ったために、権威もあり信用もあったのである。そして商品に....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
図書館で実物を見てるんです。近年でたばかりで、定価五銭と印刷してあったかしら。非売品となってましたかしら」 彼は泣きそうになって、 「二十年ぐらい前に、そんな....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
霧が一ぱいかかっていた。両側の歩道に店を持つ橋が霧の上にかかっていた。たそがれ。売品の首飾りや耳飾りが簾のように下っている軒の間から爆発したような灯が透けていた....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
るのが珍らしかった。奥では燻製の鰊や、蟹の鑵詰の鑵や、シトロン、麦酒の瓶などが、売品として、二、三の卓上に飾り立ててもあった。※間の即製のビラを見上ると、 黄ス....