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売店
「売店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
き》などの高ぶった覚えはない。ただやはり顔馴染みの鎮守府《ちんじゅふ》司令長官や
売店の猫を見た時の通り、「いるな」と考えるばかりである。しかしとにかく顔馴染みに....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
蔵の浮かない気分を引き立てようとし始めました。そこでその日も母親が、本所界隈の小
売店を見廻らせると云うのは口実で、実は気晴らしに遊んで来いと云わないばかり、紙入....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
草が喫みたくて、絶え切れなくなった。この辺で燐寸を得るには、駅の前に行き、そこの
売店へ一銭銅貨を献じるより外に手がない。僕は舌打をして、忌々しい一歩を踏みだそう....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
てなにひとつとてもない。手ぶらで戻る。 船橋にも、前のようにハマグリ、アサリの
売店はない。ポツン(玉もろこしのはぜたるもの)二、三十入り、一袋三十五銭で売って....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
も信じられなかった。こんなへんぴな天空に市街などがあって、たまるものか。飲食店や
売店があるといってもだれが信じるだろうか。いや、それどころかエレベーターのついて....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
あろうか。それこそ兇悪なる真犯人であるかも知れない。また、それは事件に関係のない
売店の売子の指紋であるのかも知れない。 さて、旗田邸に集まる検察官と帆村探偵の....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
しか見えない某百貨店の横をすりぬけ、ついで出来のわるい凸凹の長塀としか見えない小
売店街のいびきの中をよたよたと通って、ついに戸山ッ原の入口にと、さしかかった。 ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
。」 「あら聞こえると悪ござんすわ。」 とたしなめる目づかいが、つい横の酒類販
売店の壜に、瞳が蝶のようにちらりと映って、レッテルの桜に白い頬がほんのりする。 ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ほども北へ寄っている寂しい村だ。それでも人家は百七八十戸もあって、村の入口には商
売店なども少しはある。――昔は奥州街道の一部で、上り下りの大名の道中や、旅人の往....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
しゃくる。 「あれは洒落だよ、洒落も洒落だし、第一、この人数だ、境というのは。」
売店があるから、ずんずん廊下を反れました。 「何も私一人というんじゃあなかろう。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
屋の店先であった。絵双紙屋というものは今ではまったく亡びてしまったが、小説類の小
売店は即ち絵双紙屋で、その名のごとくに絵双紙を売る傍らに小説類や浄瑠璃の稽古本を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。しかし今時|青楼で起きていましょうか。「藤沢の女郎屋は遠いから、長谷あたりの淫
売店へ行けば、いつでも起きていらあ、一所にお前も寝て来るが可い。「じゃあ直ぐと参....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
邦人古谷駒平氏、ここに十三年前より商店を開き、その名をミカドストアと称し、目下小
売店、卸店両戸を有し、日本の製産を販売して大いに成功せりというを聞き、氏を訪問し....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
○九月九日より三日間、歌舞伎座において東京養育院慈善演劇を催し、貴婦人令嬢らが
売店を開く。それが流行となりて、その後十余年間はこの種の慈善演劇しばしば催さる。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
思ったが、私はそのまま神戸を飛び出していた。 汽車で奈良に向かい、若草山の下の
売店でついふらふらと仕込みづえを買った。当時の青年たちを支配していた壮士気取りの....