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「売手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
》の戸棚《とだな》があって、壁と竈《へッつい》は余り漆喰《じっくい》で繕って、商売手だけに綺麗に磨いてあります。此処《こゝ》に寝ているのが亥太郎の親父《おやじ》....
」より 著者:夏目漱石
ちには、落ちていないものと諦《あきら》めていた。 「買手にも因《よ》るだろうが、売手にも因るんだよ。いくら名画だって、おれが持っていた分にはとうていそう高く売れ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
皮もだんだんにはげて来て、実は四谷通りの夜店で買ったのだと白状に及びました。その売手はどんな人だと訊きますと、年ごろは四十六七、やがて五十近いかと思われる士族ら....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
いた。 青鼠の中山服の群れが通りかゝった。半信半疑で警戒を怠らなかった赤銅色の売手は、店をたゝむひまもなしに、忽ち、中山服に取りまかれた。わめき、罵詈、溺れる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のであろうという気がむらむらと起りました。 ものにするとは、何かお手のものの商売手に利用してみてやろうじゃないかという謀叛気《むほんぎ》なのであります。このお....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
れから諸方の本屋につてを求めて買手をさがして、東奔西走、忙しくて仕方がなくても、売手買手、両雄チャッカリしたもので、口銭はいくらにもならない。 彼はどうしても....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
認められるのです。当時は学校を卒業して上級学校へ行かぬものは、多くは家にあって商売手助けをするか、または、よその店に奉公して、やがては父親の業を継ごうという志が....
自殺を買う話」より 著者:橋本五郎
私も、自殺を買って呉れとは云い得なかった。私は友の身を気づかいながら、永久にその売手の現れないことを祈りながら、若しくはその借用者の、善良な女性の中に現れること....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
事情を導き入れて、我々は生産の問題を提出する。この事情を考慮に入れるには、用役の売手であると同時に消費的用役及び消費の目的物の買手である地主、労働者、資本家の面....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
五だから、なりは小形でもお話になる。同じ勢をつけても、鯛の方はどうやら蒼鬣魚より売手が上品に見えるのも可笑い。どの店のも声を揃えて、 「活きとるぞ、活きとるぞウ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うから半分の銀貨即ち十二銭の釣を取るのです。ところがどうかするとその半分の銀貨が売手にないことがある。すると今度は自分の方で、半分の銀貨と三分の二の銀貨(十六銭....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
んなさいと言うと、やるから持ってけ――だが負からねえぞ。――これじゃあ、どっちが売手だか買手だか判りませんぜ」 国太郎は河岸のふうなものか全然意識しないではな....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
さるが好い。 皆が取って、急いでこの仮屋の道を 花園に紛れるようになさるが好い。売手も品物も、賑やかに 取り巻いてお遣なさるだけの値打はあります。 庭作....
澪標」より 著者:外村繁
淡水魚問屋の突堤を目ざして、漁船が多く集って来る。そうして問屋の庭で魚市が立つ。売手は袖の中に手を隠し、買手はその中に手を入れ、指と指とで、取引が行われるらしい....
貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
ら、それ程の価値のない品物であるか、さもなければ、品物に価値のあるにかゝわらず、売手の足許を見て、安く価切るか何れかでなければならぬ。いずれにしても、彼等が不当....