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売淫
「売淫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売淫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
園の散歩中にもある。それら淫猥の実行は他の方法で取締るのが当然だ。帝都の真中で密
売淫や強姦を十分に取締る事の出来ぬ警察力や、待合の二階で醜業婦共に鼻毛を読まれて....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
興する見込のない一般経済界の状態は何を語るか。財産とともに道徳心をも失った貧民と
売淫婦《ばいいんふ》との急激なる増加は何を語るか。はたまた今日|我邦《わがくに》....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
大抵ではいともあるまいと思われる。 係員の話に依ると、こんな不良結婚媒介所では
売淫の仲介はしないらしい。その代りその仲介の方法は極めて乱暴である。 誰でも結....
「島原心中」より 著者:菊池寛
死をもって脱しようとすることは、もっとも至極のことのように思われたのです。現代の
売淫制度の罪悪は、
売淫そのものにあるというよりも、こうした世界にまでも、資本主義....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
で御用達をいたしました者の娘、如何に零落れ裏店に入っていましても、人に身を任せて
売淫同様な真似をして、お金を取るのは、母もさせる事ではありませんし、私も死んでも....
「縮図」より 著者:徳田秋声
だけでも、爽やかな風に吹かれているような感じであった。それにもっと進歩した新しい
売淫制度でも案出されるならいざ知らずとにかく一目で看通しがつき、統制の取れるよう....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ち越しの、例の仏蘭西製のスタンドも、こてこて刺繍のある絹張りのシェイドに、異国の
売淫窟を思わせる雰囲気を浮かび出させるのであった。 庸三は時々瑠美子と並んで、....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
度の擁護を叫んで起って云うに、良家の子女の貞操を保護するためには公娼という官許の
売淫制度が社会風教上必要だ、というのであるが、こういう馬鹿げた考えも案外従来の常....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
受けた最初の印象は、最初の読書から受けた印象に劣らず不快なものであった。頭脳的|
売淫《ばいいん》の同じ精神が、至るところに支配してるようであった。 この快楽の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ている。ただもはや婦人の上にのみしか残っていないというだけである。そしてその名を
売淫《ばいいん》という。
それは婦人の上、換言すれば、優しきもの、弱きもの、美....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
もはや今日のように恐るるに及ばないだろう。飢饉《ききん》、不正利得、困窮から来る
売淫《ばいいん》、罷工から来る悲惨、絞首台、剣、戦争、および事変の森林中における....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
でたまらない。「こいつ等はどれもこれもお嬢さんのようなしなしていやがる。なんだ、
売淫め」 阿Qはこらえ切れなくなってお馴染の家に行って探りを入れた。――ただし....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ければならぬ過度の労働、及び多くの地方で樹立されている所の、若い女子に結婚以前に
売淫を許す習慣、などである。これに加うるに、これ等の人々は時に極貧に陥るので、子....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、亜鉛張りの屋根、瓦の砂漠、――そして疲れた職工――その肉欲を充たすための娼妓と
売淫婦、すべてが倦怠ですべてが革命的神経衰弱に患っている。 今日のような堕落し....
「澪標」より 著者:外村繁
ようである。 高等学校へ入り、私は一応性の緊縛から解放されたわけである。勿論、
売淫制度のあることは知っている。しかし私はそんなものを利用しよう、或は利用したい....