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売立
「売立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売立の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
古ぼけた美 東京と違って、京都は展覧会を観る機会も数も少のうございますが、私は書画や骨董の
売立のようなものでも、出来るだけ見逃さないようにして、そうした不足を満たすように....
「画学校時代」より 著者:上村松園
い参考になったので、これは欠かさずに出掛けて行って縮図しました。 美術倶楽部で
売立てがあると聞くと、私は早速く紙と矢立てを持って駈けつけたものです。 そして....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
絵があると聞きますと、それこそ、千里も遠しとせず拝見に上がりました。また、名家の
売立などにも、よいものがありますので、必ず見に参りました。博物館へはお弁当持ちで....
「座右第一品」より 著者:上村松園
と自分で自分に鞭打つより外に道はありませぬでした。そうしては博物館に通い、時折の
売立会を見に行きして、これはと思うものを縮図して居りました。それが集まったこの帳....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ったもので、画は面白くなくても椿岳の師伝を証する作である。(この画は先年淡島家の
売立てに出たので今は誰の所有に帰しているか解らぬ。)椿年歿して後は高久隆古に就き....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
。そして、あとに残るのは、父に対する親しみの感情だった。 だが、こうした秘密な
売立も、そう永くは続かなかった。 ある日次郎は、父が小用か何かに立ったあと、一....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
村の家が没落した時の光景がまざまざと思い出されて、妙に悲しくなって来た。あの時の
売立には、今から考えると、美しい鍔のついた刀やら、蒔絵の箱やら、掛軸やら、宝物ら....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
れていた。彼はその二つの品を机の上に置いて、しばらくそれに見入った。家が没落して
売立がはじまった時、そのなかにまじっていた刀剣のことが、ふと彼の記憶によみがえっ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
新聞紙を見ると、紀州徳川家では家什整理のため、四月上旬東京美術倶楽部で書画骨董の
売立入札を催すはずで、出品数は三百点、大変の前景気だそうだ。呼物の主なものとして....
「申訳」より 著者:永井荷風
名高い書林青山堂のことである。此のはなしは其日僕が恰東仲通の或貸席に開かれた古書
売立の市で漢籍を買って、その帰途に立寄った時、お民が古本を見て急に思出したように....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う気にならない。 眼と鼻の先に吉原があろうとも、好きな書画|骨董《こっとう》の
売立ての引札を見ようとも、かわり狂言の番付がくばられようとも、しょげるばかりで浮....
「黄泉から」より 著者:久生十蘭
《ペンダント》のコレクトを持ってくることになっている。午後二時には……家の家具の
売立。四時には……。詩も音楽もわかり、美術雑誌から美術批評の寄稿を依頼されたりす....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いた人のほかは、つい近年まで顧みられもしなかったものである。以前は、美術倶楽部の
売立の中などにも、二天の画などという物が出ても、商売人は勿論、鑑賞者も、一顧もし....