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「売色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売色の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
を利《き》きあう若い医師が、二人も三人もできた。 段々|肥立《ひだ》って来た、売色《くろうと》あがりの細君の傍で、お島は持って行った花を花瓶《かびん》に挿《さ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
どんな美しい女にも目が留まらなかったし、何か仄かに引っかかるもののある感じのする売色にも、その場きりの軽い興味をもち得る機会が、長いあいだにはたまにあったとして....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
なく匂って来ると――昔を偲ぶ、――いや、宿のなごりとは申す条、通り筋に、あらわな売色のかかる体裁は大に風俗を害しますわい、と言う。その右斜な二階の廊下に、欄干に....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
嬢が、自分一人。女は生れさえすりゃ誰でも処女だ、純潔だのに、一人で純潔がって廓の売色を、汚れた、頽れた、浅ましい、とその上に、余計な事を、あわれがって、慈善家が....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
前へそなえる小さいお供餅《そなえもち》を細い白紙でちょいと結んで売る商売、中には売色で名高い女もあった。年増《としま》の芸妓の手ほどきなどで、そのうち裏から表通....
三甚内」より 著者:国枝史郎
の頃鎌倉河岸に風呂屋と称するもの十軒あり。湯女に似て色を売りぬ。この他江戸に一切売色の徒なし、甚太郎悪行して奪いし金銀みなここにて使い捨てぬ。この事師匠武蔵聞い....
「壇」の解体」より 著者:中井正一
ソドム的悦楽を逞しくすることが出来る。例えば芸術の売込的レディーメード性、芸術の売色的線香性、幇間性、落語的被注文性、芸術の速力化、合理化、大量生産化等々凡て諒....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
売色ところどころ 岡場所の歌 戦火に遭うまで大塚の花街に、私たちはいた....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の頃には、七尾から山|越で。輪島からは海の上を、追立てられ、漕流されて、出稼ぎの売色に出る事。中にも船で漂うのは、あわれに悲く、浅ましい……身の丈夫で売盛るもの....
妾宅」より 著者:永井荷風
会の輿論《よろん》の極端にも厳格枯淡偏狭単一なるに反して、これはまた極端に、凡そ売色という一切の行動には何ともいえない悲壮の神秘が潜《ひそ》んでいると断言してい....