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変に
「変に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ててどこか見えなくなってしまった。
ところが、伴をしていた黒木閑斎が、不意の大
変に狼狽《ろうばい》して、大広間の方へ逃げて行ったなり、これもどこかへ隠れてしま....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
《おか》すだけ損の訣《わけ》ですね。」
大浦は「はあ」とか何とか云った。その癖
変に浮かなそうだった。
「だが賞与さえ出るとなれば、――」
保吉はやや憂鬱《ゆ....
「或る女」より 著者:有島武郎
できちんと小ぎれいに片付いているのに引きかえて、叔母《おば》一家の住まう下座敷は
変に油ぎってよごれていた。白痴の子が赤ん坊同様なので、東の縁に干してある襁褓《む....
「或る女」より 著者:有島武郎
な所からいきなり飛び出して来てこうなれなれしく早月《さつき》さんにお話をしかけて
変にお思いでしょうが、僕は下らんやくざ者で、それでも元は早月家にはいろいろ御厄介....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
けたおかあさんが、僕のそばに来ていらっしゃいました。
「あなたどうかおしかえ、大
変にうなされて……お寝ぼけさんね、もう学校に行く時間が来ますよ」
と仰有いまし....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
動場《うんどうば》に出て走りまわって遊びはじめましたが、僕だけはなおさらその日は
変に心が沈んで、一人だけ教場《きょうじょう》に這入《はい》っていました。そとが明....
「星座」より 著者:有島武郎
に聞こえていた。本通りの大まがきの方からは、拍子をはずませて打ちだす太鼓の音が、
変に肉感と冒険心とをそそりたてて響いてきた。ただ一度の遊興は柿江の心をよけい空想....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
向けたが、縁側の方を向て碁石をおもちゃにしている八っちゃんを見たら、口をきくのが
変になった。今喧嘩したばかりだから、僕から何かいい出してはいけなかった。だから仕....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
となって膠着している。そういう生活態度に適応する為めには、お前のような行き方は大
変に都合がいい。お前の内部にどれ程の矛盾があり表裏があっても、それは習俗的な社会....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございますか……。』 漸く心を落つけて私の方から訊ねました。すると先方は不相
変にこやかに―― 『あなたは何も知らずに居られたでしょうが、実は自分はあなたの守....
「狂女」より 著者:秋田滋
の隣りに、まあ狂女と云うのだろう、妙な女がひとり住んでいた。たび重なる不幸で頭が
変になってしまったんだね。話はすこし昔にかえるが、この女は二十五の年紀に、たった....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
機嫌でバーナードを連れてアストレーに行った。これまでは宜かったが、土間の入口で大
変に込み合い、大きな奴がバーナードを押しつけた。不正な事の少しも辛棒できないファ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
創り出さなければならないんだ。だから……俺は残念ながら腹がからっぽで、頭まで少し
変になったようだ。 とも子 生蕃さんはふだんあんまり大食いをするから、こんな時に....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
、上手に、すばやく、それを頸の隠れるように、すっぽり被せる。 その時フレンチは
変にぎょろついて、自分の方を見ているらしい罪人の目を、最後に一目見た。そして罪人....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
。」 と伊作はさっさと自分の腹へ巻きつけようとしましたので、それを見た多助は、大
変に怒って、伊作と喧嘩を初めました。そこで伊作は仕方がないので、小判を十枚だけ多....