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変る
「変る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、彼は本の上に何度も笑ったり泣いたりした。それは言わば転身だった。本の中の人物に
変ることだった。彼は天竺《てんじく》の仏のように無数の過去生を通り抜けた。イヴァ....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
と結婚するであろう。結婚した後《のち》はいつのまにか世間並《せけんな》みの細君に
変るであろう。浪花節《なにわぶし》にも耳を傾けるであろう。最勝寺《さいしょうじ》....
「影」より 著者:芥川竜之介
げた。それは白い西洋封筒に、タイプライタアで宛名を打った、格別普通の商用書簡と、
変る所のない手紙であった。しかしその手紙を手にすると同時に、陳の顔には云いようの....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
わかりました。が、何も才物だからと云って、その人間に対する好悪《こうお》は、勿論
変る訳もありません。いや、私は何度となく、すでに細君の従弟だと云う以上、芝居で挨....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
老人はだんだん小声になった。
「事によると泥烏須《デウス》自身も、この国の土人に
変るでしょう。支那や印度も変ったのです。西洋も変らなければなりません。我々は木々....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
にいる。が、たといその娘が、実際はこの世にいないのにしても、僕が彼女を思う心は、
変る時があるとは考えられない。僕は僕の生きている限り、あの池だの葡萄棚《ぶどうだ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
いえども、その正体《しょうたい》はおん主《あるじ》の御血肉《おんけつにく》となり
変る」尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた沙漠....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
うまでもありますまい。
「支店は相当に繁昌《はんじょう》しました。その上また年が
変ると、今度も丈夫そうな男の子が、夫婦の間《あいだ》に生まれました。勿論悲惨な捨....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
け合わないのである。それから女は妻となるや否や、家畜の魂を宿す為に従順そのものに
変るのである。それから子供は男女を問わず、両親の意志や感情通りに、一日のうちに何....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
う筈じゃ。都でもこの後《のち》五百年か、あるいはまた一千年か、とにかくその好みの
変る時には、この島の土人の女どころか、南蛮北狄《なんばんほくてき》の女のように、....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
し始めました。蘭陵の酒を買わせるやら、桂州の竜眼肉をとりよせるやら、日に四度色の
変る牡丹を庭に植えさせるやら、白孔雀を何羽も放し飼いにするやら、玉を集めるやら、....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
山の空も、もう火照りが消えかかっていた。良平は、愈気が気でなかった。往きと返りと
変るせいか、景色の違うのも不安だった。すると今度は着物までも、汗の濡れ通ったのが....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
い神経のある、優しい人のような気がして来た。勿論今後猶接して見たら、又この意見も
変るかも知れない。が、差当り僕の見た小杉未醒氏は、気の弱い、思いやりに富んだ、時....
「墓」より 著者:秋田滋
ら、ただそれだけでした。創造の世界にあっては、人間は、秋に死んでゆく蠅とすこしも
変るところはないのです。ただそれだけのことなのであります。そこで、わたくしは考え....
「初雪」より 著者:秋田滋
もうこの世の人ではあるまい。世のなかの営みは、自分以外の人たちには、昨日となんの
変ることもなく続くであろう。が、彼女にとってはすべてが終ってしまう。永遠に終りを....