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変則
「変則〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変則の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
かげた話のなかにさえ慰安を見出《みいだ》すかもしれない(精神錯乱の記録はこの種の
変則に満ちているのだから)、というかすかな希望をいだいたのであった。実際、彼が物....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っとしたものの、武家の妻が遊女かなんぞのように、夜は起きていて昼は寝る、こうした
変則の生活状態をつづけてゆくのは甚だ迷惑でもあり、且は不便でもあった。なんとかし....
「再婚について」より 著者:島崎藤村
とうさんは自分の生活を変えようと思い立ったからです。 今までのとうさんの生活が
変則で、多少不自然であることは自分でも知っていましたが、おまえたち兄妹を養育する....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ことは、つけ加えて言う必要もないであろう。 疑いもなく、二人のあいだにあるその
変則的な関係が、私のウィルスンにたいするすべての攻撃(それは公然とやるのも、こっ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
郡。今は多野郡に属した。「草枕」を「多胡」の枕詞としたのは、タビのタに続けたので
変則の一つである。垂水之水能早敷八師(巻十二・三〇二五)で、ハヤシのハとハシキヤ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の村の司祭であるか、またはクラリモンドの肩書つきの愛人ロミュオー君であるか、この
変則がどうしても分かりませんでした。 それはどうでもいいとして、とにかくに私は....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
識して夫人はあんな奇矯な男装をしたのだと考えたくない。それは、犯罪前のあの微妙な
変則的な心理の働き――謂ば怯懦に近い、本能的な用意、がそうさせたのだ。そして夫人....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
惑買いはさておき、実際に使用する砂糖でさえも買置きせず、必要量だけを購入してこの
変則の場合を凌いでいたので、五十五円が一時に三十円まで下落した際も、私のところに....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
神国、帝は現人神、天皇様御親政が我国の常道、中頃武家が政権を取ったは、覇道にして
変則であるが、帝より政治をお預かりし、代って行なうと解釈すれば、認められないこと....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ましてね、たしか外傷性のヒステリヤには、一番多く見る現象なんですよ。そうすると、
変則な強直をしている点に、第一説明が付きますし、何より犯人が、その無意識状態を利....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のに、呉清源のこの場合は、対局の日数経るごとに疲れがとれてきたのだから、なんとも
変則的で、バカバカしい限りであった。 しかも、白番の呉清源が三目勝ってしまった....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
城下に引受けながら一戦にも及ばず、徳川三百年の政府を穏に解散せんとするは武士道の
変則古今の珍事にして、これを断行するには非常の勇気を要すると共に、人心を籠絡して....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
のがないので、人間の代りに犬ばかり可愛がっている貴婦人もある。 彼は現代文明の
変則なことを心より痛嘆した。より美しく、より真に生きるには都会文明を破壊するに限....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
あるということも、従って都会人は、ようやく此生活から離れて行くがために、いよ/\
変則的な生活を営むということも、また中央集権的なるが故に、文化がこゝのみに発達し....
「はつ恋」より 著者:神西清
さん臭さに気づいていながら、別にそれが厭でなかったのかもしれない。なにしろ教育も
変則なら、つきあいや習慣も風変りだし、しょっちゅう母親はそばにいるし、家の内情は....