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変態
「変態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
の敬意を払っていたであろう。しかしそれをそう云わなければ、この楽天家の中尉の頭に
変態性慾《へんたいせいよく》の莫迦莫迦《ばかばか》しい所以《ゆえん》を刻《きざ》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い詰めるかも知れない。科学的な立場から愛を説こうとする愛己主義者は、自己保存の一
変態と見るべき種族保存の本能なるものによってこの難題に当ろうとしている。然しそれ....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
「私は、こう思っています」と松ヶ谷学士は瞳を輝かして言った。「どうやら、これは
変態的な性格を持った化学者の悪戯だろうと思うのですが。それは鉄道省の場合の外は、....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
をおびき寄せるため帆村探偵の案出した手だった。戸浪は、探偵小説家の名を汚し、彼の
変態的な純情(?)に殉じた、とでも結んで置きますか、ねえ帆村さん」 帆村は静か....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
た。白面でもって、そんないやらしいものを見られるものじゃありゃしない。これは随分
変態的な男であると呆れるより外なかった。でもどうしたというのであろう。呆れるとい....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
とかカだとかいう文字が多すぎる。ことにンが二百字中に二十九字もあるのは、あまりに
変態である」 そこで袋探偵は、溜息を、一つついて鉛筆を取上げ、文字の第一番から....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
まで、口絵の色っぽい処を見せる、ゆうぜんが溢出るなぞは、地獄変相、極楽、いや天国
変態の図だ。」 「図かい。」 「図だよ。」 「見料は高かろう。」 「高い、何、見....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
匍い出さずにはいられない。気温が華氏八十度を越えると脳細胞中の電子の運動がすこし
変態性を帯びて来るそうだ。そんなときにうっかり忘我的研究をつづけていると、電子は....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ク。 一、ヒラガナノ活字ハソレ自身ガ美シクナイ。文字トシテモ現今ノヒラガナヨリハ
変態ガナノホウガ美シク、
変態ガナヨリハ上代ガナノホウガ美シイ。コレハ少シ手習イシ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
していわしむれば、これらの事実は、世界がまだ芸術としての生育を遂げ得ない過渡期の
変態的現象にすぎなかつたのである。もしも映画が真に芸術であるならば、それは何より....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
亭主と馴れ合いに賊を働く夜鷹となり、牛裂の私刑に波瀾の多い一生の幕を閉ずる一種の
変態性格である。これだけでも一部の小説とするに足る。また例えば素藤の如き、妙椿が....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ったい、倫理と宗教と、かように人を律する二種のものが併立しているのは、過渡時代の
変態で、この両者は畢竟理想教たる倫理教において統一せらるべきもので、すなわち今日....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
て狐狸等の類がその女子に憑付せしものならば、必ずその女の精神作用において、多少の
変態異常なくんばあるべからず。しかるに、その女の言語、動作を熟察するに、かつて常....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ほかならざれば、これを内界に属するなり。ただし幽霊のごときは、これまた心性作用の
変態なること疑いなしといえども、その体の外界に現見するをもって、しばらく外界に属....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たような伊藤の運勢が下り坂に向ったのを看取すると、天性の覇気が脱線して桁を外れた
変態生活に横流した。椿岳の生活の理想は俗世間に凱歌を挙げて豪奢に傲る乎、でなけれ....