変質[語句情報] »
変質
「変質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
事に従事した。焦熱《しょうねつ》地獄《じごく》のような工場の八時間は、僕のような
変質者にとって、むしろ快い楽園《らくえん》であった。焼け鉄の酸《す》っぱい匂いに....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
入口の締りを外して中へ入ったとき、僕はなにか異変のあるのを直感した。僕はどこか
変質者らしいところがあると見えて、前々からときどき不思議によく当る直感作用をもっ....
「階段」より 著者:海野十三
友江田先生とミチ子との関係は異母の兄妹であることが判った。妹のミチ子はその父の
変質をうけ継ぎ、小さい頃から自らすすんで曲馬団の中に買われて日本全国を漂泊してい....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
が要った。例えば、屍体が溶けて濃度が或る個所だけ濃くなり過ぎると、直ぐその部分が
変質して不溶解性の新成物を生ずる。そこに攪拌の六ヶ敷い手際が入用だ。 「だが、女....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とがありますか」
その時、鎮子の眼に不思議な輝きが現われて、
「さよう、五十歳
変質説もこの際確かに一説でしょう。それに、外見では判らない癲癇発作がありますから....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
を、一向|昂奮もせず周章てもせず、平気でやる。まあ、そういう最も常人らしい狂人に
変質させるのが、わしのいう持久性神経瓦斯の効果じゃ。どうじゃな。君もそういう方向....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ゃ。したが、一旦他へ搬ばれ温度と湿度と気圧が違ってくると、一定時間の後には用紙が
変質して自然発火するのじゃ。チーア卿は、さっきの装置で調べると、今飛行機にあれを....
「火薬船」より 著者:海野十三
ったのです。ポーニンは、これをきいて、くろくなるということは、セメントが分解して
変質でもするという意味かと、聞きかえしました。私は、そうではない。黒ずんで見た目....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
である。おそらく、それは成功することであろう。彼等は地球へ渡航したときに、身体の
変質変形をうけることを恐れて、何かの手段を考え出すことであろうと思われる。予の考....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
誰袖、東路などと、名前さえも変ってしまう。そんな訳で、唯さえ人淋しく、おまけに、
変質者で、祖母とは名のみのお筆と一所に住んで行くのには、到底耐えられなくなった矢....
「春」より 著者:岡本かの子
もかも遣りに行こうか。でもダイヤなんか凶作地の畑へ持ってったらジャガイモ見たいに
変質しやしないの。加奈子が、水晶の観音様しきりに拝んでんのよ。また私の病気が癒り....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
ういう気持ちを人にいって判るだろうかどうだろうか。またはこういう気持ちは自分だけ
変質的に持っていて到底、他人には理解されずに終る果敢ないものの一つなのか。作太郎....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の上に大影響あるを免れず。ゆえに、もしこれを適用せんと欲せば、まずその文明を消化
変質して、わが従来系続せる国体の原形を保持せしむるを要す。なんとなれば、社会は一....
「酋長」より 著者:岡本かの子
開くと、ずばずば物を言った。朝子は、変化のない庭守を三四代も続けていると、一種の
変質者が生れるのではないかと思った。 雪もよいの空ではあるが、日差しに張りのあ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
中で、自分一人が、仏陀とか神仙とかいわれるものに近い永遠不滅の性質を帯びたものに
変質するのである。こんな張り合いのある以上の仕事がまたとこの世にあろうか。慧鶴は....