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夏山
「夏山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
しいような気がしたそうです。
「では機会のあり次第、ぜひ一度は見ておおきなさい。
夏山図《かざんず》や浮嵐図《ふらんず》に比べると、また一段と出色《しゅっしょく》....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
海署ですか?……当直の方ですか?……僕は大月弁護士ですが、誰れかいませんか?……
夏山さん?……いいです、代って下さい……。 ――
夏山警部補ですか?……大月です....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
て、雲の海の上に立山の連峰がはっきり浮んでいる。白馬の頂きに立ったとき、初めての
夏山入りの思い出(蓮華温泉からこの頂きに立ったとき、こんなすばらしい山が日本にも....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
一里半ばかり上らなければ成らない。案内なしに、私などの行かれる場処では無かった。
夏山――山鶺鴒――こういう言葉を聞いただけでも、君は私達の進んで行く山道を想像す....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
き立てる日が来た。半蔵は馬籠の惣役人と、百姓|小前のものを連れて、草いきれのする
夏山の道をたどった。湯舟沢からは、庄屋、組頭四人、百姓全部で、両村のものを合わせ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
帰って来ると、恵那山麓の峠に続いた道が半蔵らの目の前にあった。草いきれのするその
夏山を分け登らなければ、青い木曾川が遠く見えるところまで出られない。秋深く木の実....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
もあるかな たまさかの言の葉草もつまなくにたまるは袖の露にぞありける しげりあふ
夏山のまにゆく水のかくれてのみやこひわたりなむ 「あなた、そんなにつめていいんで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
実に東半球最大の蛇だ。さて『本草』に〈身斑紋あり、故に錦纈《きんけつ》のごとし春
夏山林中にて鹿を伺いてこれを呑む云々〉とあるは事実で、その肉や胆《い》の薬効を『....
「春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
負えないのだから、この不便を忍ばねばならない。人夫は必ず猟師でなければならない。
夏山を歩いた男などはかえって迷惑である。 山によっては、カンジキの道とスキーの....
「死者の書」より 著者:折口信夫
居た。 百部は、夙くに写し果した。その後は、千部手写の発願をした。冬は春になり、
夏山と繁った春日山も、既に黄葉して、其がもう散りはじめた。蟋蟀は、昼も苑一面に鳴....
「源氏物語」より 著者:紫式部
分かれにして声も低くして行くように」 と大将は注意した。 小野では深く繁った
夏山に向かい、流れの蛍だけを昔に似たものと慰めに見ている浮舟の姫君であったが、軒....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
八・一四七〇)でも内容が似ているが、これも呑気である。 ○
夏山の木末の繁にほととぎす鳴き響むなる声の遙けさ 〔巻八・一四九四〕 大伴家持 ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
煙 掛香《かけかう》や唖《おし》の娘の人となり 鮓を圧《お》す石上に詩を題すべく
夏山や京尽し飛ぶ鷺《さぎ》一つ 浅川の西し東す若葉かな 麓《ふもと》なる我蕎麦存....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
、新しいので我慢も出来よう。主人はやって来て「小島サンもこの室に御泊でした、この
夏山岳会の大勢の御方の時は、ここと隣りの部屋とにおられました」と語る。親しい友の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
く北天に懸かるを望むのみ。満懐雄壮を覚え、快極まりなし。 六旬不。 (六十日間、
夏山の青さを目にせず、みまわせば旅の道のりは雲のかなたの緯度経度をわたる。日暮れ....