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夏日
「夏日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏日の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
あるいはその反対を行く旅人を見るに過ぎなかったのであろうと想像されるが、今日では
夏日になれば、登山客がこの谷に多く群集して、数十年来の谷の主《ぬし》、老猟師嘉門....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
アルプスは、南北によって雪の分量を異にしている、たとい厳格に言う雪線がなくても、
夏日の残雪で、比較的常住の雪線を仮定して見ると、北は雪線が低くて、南が高くなって....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
与えた故今も鮫を神様、夷子《えびす》様など唱え鮫というを忌む、日高郡南部町などは
夏日海浴する小児が鮫に取られた事少なからず、されば汽船発動機船などなかりし世には....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
は浜松にいる。最も奇とすべきは溝部で、或日偶然来て泊り込み、それなりに淹留した。
夏日袷に袷|羽織を著て恬として恥じず、また苦熱の態をも見せない。人皆その長門の人....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ござらぬ、と断じ、そもそもこの登竜は越中越後の海中に多く見受けられるものにして、
夏日に最もしばしばこの事あり、一群の黒雲|虚空より下り来れば海水それに吸われるが....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
婁郡では今もこうして蛇を捨てる。本邦でも異邦でも蛇が往来|稀《まれ》ならぬ官道に
夏日臥して動かぬ事がある。これは人馬や携帯品に附いて来る虫や様々の遺棄物を餌《く....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
困る時とがある。前の場合だと何でもないが、後の場合だとちょっと厄介だ。 去年の
夏日本から追放されたロシア人のコズロフが、その前年ひそかに葉山の家から僕の鎌倉の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
闘牛に潜む“It”は何か!――というと、第一に、闘牛は必ず野天で行われる。しかも
夏日炎々として人の頭がぐらぐら上ったDON達が街上に踊り狂ってお互いに料理し合う....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
の十杯を飲んだだけで、後は、 『もはや、叶わぬ』 と、掌を横に振った。時に漸く
夏日暮れんとし、笙歌数奏。豪勇ども各々|纏頭、這うようにして帰った―― このこ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
上等なり。 ○鰻の骨はスープにしてタレを製するもよし。焼きて鶏に与うるも功あり。
夏日はこれを薫《いぶ》して蚊を追うにもよし。 第四十四 流動物 智識の進歩す....
「山の人生」より 著者:柳田国男
蘇の那羅延坊などという山伏は、山家に住みながら川童予防の護符を発行した。すなわち
夏日水辺に遊ぶ者の彼らの害を懼るるごとく、山に入ってはまた山童を忌み憚っていた結....