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夏時
「夏時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
耳についていた町の流れが、高原の平地へ出て来るにつれて、次第に遠ざかって行った。
夏時に氾濫《はんらん》する水の迹の凄いような河原を渉《わた》ると、しばらく忘れて....
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
、叔父の横顔には、今までの悪魔らしい感じがなくなっているのに気が付いて来た。この
夏時分に比べると、驚くほど青白くなっている頬や瞼には、ヨボヨボの老人に見るような....
「一つの芽生」より 著者:宮本百合子
張るには訳があった。 十月の三日から、日光へ学校からの旅行があるのだけれども、
夏時分から脚気で心臓も悪かった彼は、家じゅうの者にとめられた。けれども、ぜひ行き....
「火星兵団」より 著者:海野十三
りおかしくなっていたのだ。なぜと言って、朝顔の種をまいてみても、その花が咲くのは
夏時分になる。夏までこの地球がもてばいいが、あと数日で崩壊してしまうのだから、彼....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
は一時病む事あるも、幸に復常せり。又一は三十九年五月|帰塲せり。予は三十七年迄は
夏時のみ牧塲に在るのみ。故に其概略を知るのみ。片山八重藏夫婦の最初より今日迄の詳....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
掃除ということにしました。うれしいわ。少くともこれ迄よりよほど楽になります。この
夏時分はひどうございましたもの。日比谷から帰ると六時、それから台所をして夕飯八時....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
た反駁はそう有力なものとも思われませんね。シムソンは土地不案内の者じゃないです。
夏時分二度、タヴィストックに泊っていたことがあります。阿片はおそらくロンドンから....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
反対に閑散であります。しかるに店員の俸給は一定されて居りますから、菓子屋の主人は
夏時、半日程の仕事もない日には、知らず識らず、顔に暗い影の容すこともあり勝ちであ....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
功名を立てたという話があります。つまり毒を以て毒を制した話です。 丁度今頃の初
夏時でした。私の所へ九州から訪問客がありました。「是非一つ先生に助けて戴きたい」....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ます乗り気になって長話をはじめた。 その長話というのはこうである。鶴見はそれが
夏時分であったということを先ず憶い起す。自家用の風呂桶が損じたので、直しに出して....
「魔都」より 著者:久生十蘭
恥になることだから人にはいわなかったが、ちょっと胸に落ちないことがあって、今年の
夏時分安亀に盃をかえさせ、今じゃ赤の他人なのだからその尻を持込まれても困るといっ....
「迷信解」より 著者:井上円了
に事情のあることと思う。その一例として駱駝の見せ物の話を引用せんに、「ある地方の
夏時の祭礼に、駱駝の看板を掲げたる見せ物が出たことがある。これを見るもの真の駱駝....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
せらる。よって、ただちに帰路に向かい、クロイドン駅に降車す。林丘あり河流ありて、
夏時の遊歩場に適す。その流水はヤラ川の源流に当たる。この川、メルボルンに至りて海....
「徒歩旅行を読む」より 著者:正岡子規
る事が出来なかった。毎日西瓜の切売を食うような楽みは行脚的旅行の一大利得である。
夏時の旅行は余もしばしばやった事があるが、旅行しながら毎日文章を書いて新聞社に送....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
ヤシテ収儲《しゅうちょ》※《とき》ヲ延《ひ》クコトヲ得イハユル氷雪冬時コレヲ蔵シ
夏時コレヲ開キ食肉ノ禄《ろく》喪祭賓客用ヒザルコト無シコレ亦《また》輔相|調※《....