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夏物
「夏物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏物の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をはってうなりを立てながら、眼を射るような日の光の中に勇ましく飛び立って行った。
夏物が皆無作というほどの不出来であるのに、亜麻だけは平年作位にはまわった。青《あ....
「女生徒」より 著者:太宰治
くなってしまう。 郵便函には、夕刊と、お手紙二通。一通はお母さんへ、松坂屋から
夏物売出しのご案内。一通は、私へ、いとこの順二さんから。こんど前橋の連隊へ転任す....
「家」より 著者:島崎藤村
に仕事をしている弟の方へ話し掛けながら、お種は自分の行李を取出した。彼女はお雪と
夏物の交換などをした。 やがて迎の嘉助が郷里の方から出て来た。この大番頭も、急....
「縮図」より 著者:徳田秋声
か取引を開始し、押問答の末、冬物全部が手押車に積まれ、二人の小僧によって搬ばれ、
夏物と入れ替わりになるのだった。お神は置き場がないので、倉敷料を払って質屋の倉へ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
ん」 「この着物で――歩けないわ」 冬物が、値がいいので、ことごとく入質して、
夏物のみである。この
夏物と、冬物は交換できないし、金は無いし、女房は、袷を世間の....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
てかえってやっている。 呉服部のところで、ケースの上にくりひろげてある絹セルや
夏物柄の銘仙をちょっとさわって見たりしながら、 「これ、本当に銘仙なんかしら」 ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ていた。 夕霧の大将はしばらく休息をしてから衣服を脱ぎかえた。平生からこの人の
夏物、冬物を幾|襲となく作って用意してある養母であったから、香の唐櫃からすぐに品....
「地上」より 著者:島田清次郎
子ちゃん、着物を着変えてこなくちゃいけないわ」 あまり流行らない茂子が着変えの
夏物の座敷着をもっていないことを知っていながら時子は付け加えたのである。茂子の膝....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
だらけになったのが一枚、鏡台の前に置いてある外《ほか》には、木綿麻の随分古ぼけた
夏物が二枚壁際に投出されているばかりである。君江はいつものように鏡台の前の座布団....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
く、いわゆる百計つきたという時になって、思い切ってこの手段に出るのである。田植や
夏物の栽培にたいして、雨がどのくらい大事なものであったかは、こういう雨乞いの方法....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
、すっかり脱いでしまってトランクにいれた。そのトランクは大量のナフタリンとともに
夏物がいれてあった。彼は化粧道具入れから、過マンガン酸カリの包みをだし、となりの....