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夏花
「夏花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏花の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
は、毛莨《きんぽうげ》や釣鐘草《つりがねそう》や簪草《かんざしぐさ》などのひ弱い
夏花や、鋭い棘のある淫羊※《いかりそう》、空木《うつぎ》などの丈《たけ》低い草木....
「食魔」より 著者:岡本かの子
像を引立たせる背景のため、鏡の縁の中に自分の姿と共に映し入るよう、青い壁絨と壺に
夏花までベッドの傍に用意してあるのだった。鼈四郎に何か常識的な怒りが燃えた。「病....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ばかりいた。今更あわてゝ眼を二つ三つ瞬いて空や庭を見廻す。刈り込んだ芝生に紅白の
夏花が刺繍のように盛上っている。 ――まるで子供ね。胡麻化すつもりでいらっしゃる....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
のしげみに身をうずめて浮び来り、浮び去る重たげな舟をながめる。すると、かぐわしい
夏花の匂いと、爽やかな潮の香とが、混り合って、漂って来るのでした。ふたりは、やさ....
「蓮」より 著者:豊島与志雄
蓮であろうか、または普通の食用蓮であろうか、或はその三つ共であろうか。それはこの
夏花の開く折の楽しみとしておいて、私はうららかな春日のさす縁側に蹲って、庭の蓮鉢....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
客またみな上陸す。人家数戸あるのみ。その前後の丘陵は松林数町連なり、野草繁生し、
夏花の愛すべきものありといえども、丘頂に至ればただ巌石あるのみ。しかして、遠近の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を飲んでいるのだ。法典の開墾小屋では、蕎麦を喰べたいと思えば、春先|種子を蒔き、
夏花を見て、秋の暮に実を乾し、ようやく冬の夜粉を挽いて喰べるのだが、ここでは手一....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
は、各地の言い伝えを多く集めて、細かに比べて見るのが尋常の順序であるが、寺方では
夏花は盆のかかりまで、一夏中を通して立てておくというに反して、多くの民家では八日....