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「夕霧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夕霧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ゅうか》の細作《さいさく》を欺くために、法衣《ころも》をまとって升屋《ますや》の夕霧《ゆうぎり》のもとへ通いつめた話を、事明細に話して聞かせた。 「あの通り真面....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
に壺をつくねていた。婆の姿は見えなかった。 風のない秋の日は静かに暮れて、薄い夕霧が山科《やましな》の村々に低く迷ったかと思うと、それが又だんだんに明るく晴れ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
あとを追いました。――折から島原の宵は、ほんのり夢色に暮れ果てて、柳の葉陰に煙る夕霧、霧にうるんでまばたく灯影。その灯影の下を雪駄《せった》の音が風に流れて、京....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人達に送られて、あくる日の夕方に麻布の小さな寺に葬られた。 それは小雨のような夕霧の立ち迷っている夕方であった。おまきの棺が寺へゆき着くと、そこにはほかにも貧....
古狢」より 著者:泉鏡花
れど、下からは四階ぐらいに当るだろう。晩飯の烏賊と蝦は結構だったし、赤蜻蛉に海の夕霧で、景色もよかったが、もう時節で、しんしんと夜の寒さが身に沁みる。あすこいら....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
とを作っているのである。 ○ しなが鳥猪名野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿は無くして 〔巻七・一一四〇〕 作者不詳 摂津にて作れる歌である。....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
らしい。しかしそれも一瞬の間で二人はズンズン行き過ぎた。そうして今は雀色に暮れた夕霧の中へ消え込んでしまった。 「重ね重ね不思議のことじゃ。貧乏神に小間使いのお....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
ってみる。源氏は本とうの子の少い人で、たった二人しかなく、男は葵上との間に生れた夕霧、女は明石上の生んだ明石中宮である。ほかに養子が二人ある。一人は秋好中宮と言....
役者の一生」より 著者:折口信夫
目)の子になり、沢村家のよい名である源平を名のった。初舞台が明治三年十二歳で、「夕霧伊左衛門」の吉田屋の娘という役で出た。役らしい役をしたのは、十四歳の時の「明....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
京と存じ候へども、当年三歳になりて候。あまりに故郷の事心もとなく候程に、召使ひ候夕霧と申す女を下さばやと思ひ候。いかに夕霧、あまりに故郷心もとなく候程に、おこと....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
に扮した。七三郎の巴之丞の評判は、すさまじいばかりであった。 藤十郎は、得意の夕霧伊左衛門を出して、これに対抗した。二人の名優が、舞台の上の競争は、都の人々の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
すからね。――この鶏を。」 ……包みもしないで――翠を透かして、松原の下り道は夕霧になお近いから――懐紙に乗せたまま、雛菓子のように片手に据えた。 「あなた、....
」より 著者:上村松園
に徳川時代元禄から享保頃迄の人物にこれを表現してみました。最初は横物にして腰元の夕霧も描くつもりでしたが、寸法が制限されてますのでこの構図になりましたが縦七尺七....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
が悪源太に扮す。 ○十一月、新富座にて化物芝居というを興行し、喜知六の由良之助と夕霧、団八の判官、翫太郎の伊左衛門などにて、大いに観客を笑わせたり。 ○一月、演....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
天つ雁がね 霧うすき秋の日影の山の端にほのぼの見ゆる雁のひとつら夕霧のむらむらはるゝ山ぎはに日影をわたる雁のひとつら 晴れそむる....