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夕飯
「夕飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夕飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
やつだね。」
「どうして?」
「どうしてってこともないけれども。……」
僕等は
夕飯《ゆうはん》をすませた後《のち》、ちょうど風の落ちたのを幸い、海岸へ散歩に出....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
ち》、僕は又O君や妻と一しょに引地川の橋を渡って行った。今度は午後の七時頃、――
夕飯《ゆうめし》をすませたばかりだった。
その晩は星も見えなかった。僕等は余り....
「少年」より 著者:芥川竜之介
もともり出した今頃、何をしていることであろう? クリストと誕生日を共にした少女は
夕飯《ゆうはん》の膳《ぜん》についた父や母にけさの出来事を話しているかも知れない....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
句とを書きました。そうして更に大胆なるある者は、私の庭内へ忍びこんで、妻と私とが
夕飯《ゆうめし》を認《したた》めている所を、窺《うかが》いに参りました。閣下、こ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
虫のことを思い出しました。……
僕の散歩に出かけるのはいつも大抵《たいてい》は
夕飯前《ゆうめしまえ》です。こう云う時にはM子さん親子をはじめ、K君やS君も一し....
「或る女」より 著者:有島武郎
ま》をはいているのさえさげすまれた。
「そんな事はどうでもようござんすわ。さ、お
夕飯にしましょうね」
葉子はやがて自分の妄念《もうねん》をかき払うようにこうい....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をなぐられねばならなかった。仁右衛門はやがてぶらりと小屋を出た。妻は独りで淋しく
夕飯を食った。仁右衛門は一片の銀貨を腹がけの丼《どんぶり》に入れて見たり、出して....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だった。君はひとりになると、だんだん暗い心になりまさるばかりだった。 それでも
夕飯という声を聞き、戸のすきから漏れる焼きざかなのにおいをかぐと、君は急に空腹を....
「親子」より 著者:有島武郎
もよく知っていた。それを思うと彼は黙って親子というものを考えたかった。 「お前は
夕飯はどうした」 そう突然父が尋ねた。監督はいつものとおり無表情に見える声で、....
「海異記」より 著者:泉鏡花
けよ。中の晩の夜中の事だね。 野だも山だも分ンねえ、ぼっとした海の中で、晩めに
夕飯を食ったあとでよ。 昼間ッからの霧雨がしとしと降りになって来たで、皆胴の間....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
エステティッシュな趣を損うよ。と、入らざる忠告を聞かされた。 蔵六が帰った後で
夕飯に粥を食ったが、更にうまくなかった。体中がいやにだるくって、本を読んでも欠伸....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
」 「ははあ、貴公と美人とが趣く処へどこへなと行くで。奢れ! 大分ほッついたで、
夕飯の腹も、ちょうど北山とやらじゃわい。」 「いいえさ、どこへ行くんです。」と島....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
分は*「ベルラ・イタリア」にはんたいなことばばかりでした。 *イタリアよいとこ。
夕飯がでました。それはこしょうと、ぷんとくさい脂で味をつけた水っぽいスープとでし....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
島木さんに最後に会ったのは確か今年(大正十五年)の正月である。僕はその日の
夕飯を斎藤さんの御馳走になり、六韜三略の話だの早発性痴呆の話だのをした。御馳走に....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
のみにて、終に一刻千金と当てにしたりし日も暮れぬ。 薄暗き小ランプを友として、
夕飯を喫す。西天を彩れる夕映の名残も、全く消え果て、星の光は有りとは言へ、水面は....