» 外に

「外に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

外にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
松林を眺めている。 夫は今夜も帰って来ない。召使いたちはすでに寝静まった。窓の外に見える庭の月夜も、ひっそりと風を落している。その中に鈍い物音が、間遠《まどお....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
等の密会する所を見たと云う事だけ云って置こう。』私は巻煙草の灰を舷《ふなばた》の外に落しながら、あの生稲《いくいね》の雨の夜の記憶を、まざまざと心に描き出しまし....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
い他人だと云う事が明かになった。その内にもう秋風が立って、城下の屋敷町の武者窓の外には、溝を塞《ふさ》いでいた藻《も》の下から、追い追い水の色が拡がって来た。そ....
片恋」より 著者:芥川竜之介
色恋の話くらい、聞いていてつまらないものはない。 (そこで自分は、「それは当人以外に、面白さが通じないからだよ。」と云った。「じゃ小説に書くのにも、夢と色恋とは....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
る。彼は人ごみに交《まじ》りながら、ふとその汽車を降りる人を眺めた。すると――意外にもお嬢さんだった。保吉は前にも書いたように、午後にはまだこのお嬢さんと一度も....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
りゅう》の葉のごとく、おののかせたことであろう。 この三年間、自分は山の手の郊外に、雑木林《ぞうきばやし》のかげになっている書斎で、平静な読書|三昧《さんまい....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
然《もくねん》と唇《くちびる》を噛んだまま、ピアノばかり見つめている。妙子は戸の外に佇《たたず》んだなりじっと忍び泣きをこらえている。――その後《のち》二月《ふ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
アは話の中《うち》にも絶えず鼻を鳴らせている。どうも俺の脚の臭《にお》いは長靴の外にも発散するらしい。…… 「九月×日 馬の脚を自由に制御《せいぎょ》することは....
」より 著者:芥川竜之介
《うかが》いながら、そっと入口まで這《は》って行って、戸を細目にあけて見ました。外にも、いい案配に、人のけはいはございませぬ。―― 「ここでそのまま、逃げ出して....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
使う所は、誰の眼にも触れないと、思っていたのに違いありません。しかし実際は部屋の外に、もう一人戸の鍵穴から、覗いている男があったのです。それは一体誰でしょうか?....
兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
兄貴らしい心もちを起させる人間は、今の所天下に菊池寛の外は一人もいない。 まだ外に書きたい問題もあるが、菊池の芸術に関しては、帝国文学の正月号へ短い評論を書く....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
身も傲慢に安んじている所から、同類の思いをなしたのかも知れない。けれどもまだその外にも僕はいろいろの原因から、どうも俳人と云うものは案外世渡りの術に長じた奸物ら....
初雪」より 著者:秋田滋
うして簡易な、健全な、穏やかなその日その日を送っていれば、もうそれでよく、それ以外には望みというものを持っていない。 十二月のこえを聞く頃になると、雪が降って....
良夜」より 著者:饗庭篁村
え路用を与えて帰京させたれば、これを徳として年々礼儀を欠ず頼もしき者なればとて、外に知辺もなければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の手紙を渡せば、その....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
善」や、マルセットの「化学|叢話」や、百科全書中の「電気」の章などであった。この外にリオンの「電気実験」、ボイルの「化学原理大要」も読んだらしい。 否、ファラ....