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外出
「外出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
かな時刻である。商売に来たのも、見物に来たのも、泊《とま》り客は大抵《たいてい》
外出してしまう。下宿している勤《つと》め人《にん》たちも勿論午後までは帰って来な....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の奇遇《きぐう》には誂《あつら》え向きの舞台だったのに違いありません。しかしあの
外出する時は、必ず巴里《パリイ》仕立ての洋服を着用した、どこまでも開化の紳士を以....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ゅそく》となる門弟の数も多かった。甚太夫はそこで惴《はや》りながらも、兵衛が一人
外出する機会を待たなければならなかった。
機会は容易に来なかった。兵衛はほとん....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
二重人格にすぎない事を証明致さなかったように思います。当時の正午前後、妻は確かに
外出致しませんでした。これは、妻自身はもとより、私の宅で召使っている下女も、そう....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
へかけては必ず僕の母の家へ――本所の芥川家へ泊りに行った。「初ちゃん」はこう云う
外出の時にはまだ明治二十年代でも今めかしい洋服を着ていたのであろう。僕は小学校へ....
「或る女」より 著者:有島武郎
をそれにかけたりした。土曜だから妹たちは早びけだと知りつつも倉地はものぐさそうに
外出のしたくにかからないで、どてらを引っかけたまま火鉢《ひばち》のそばにうずくま....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
と祖母《としより》も莞爾《にっこり》して、嫁の記念《かたみ》を取返す、二度目の
外出《そとで》はいそいそするのに、手を曳《ひ》かれて、キチンと小口《こぐち》を揃....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
申して……はちと変だ。 さては誰も物申に応うるものが無かったのであろう。女中は
外出で? お蔦は隠れた。…… 無人で失礼。さあ、どうぞ、と先方は編上靴で手間が....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
無言にして頭掉る。美女、縋るがごとくす。 あの、お許しは下さいませんか。ちっとの
外出もなりませんか。 公子 (爽に)獄屋ではない、大自由、大自在な領分だ。歎くも....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
が可訝いくらい。ついでに婦二人の顔が杓子と擂粉木にならないのが不思議なほど、変な
外出の夜であった。 「どうしたっていうんでしょう。」 と、娘が擂粉木の沈黙を破....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
では、宗吉と同じ長屋に貸蒲団の一ツ夜着で、芋虫ごろごろしていた処――事業の運動に
外出がちの熊沢旦那が、お千さんの見張兼番人かたがた妾宅の方へ引取って置くのである....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を視て、そんなことを云う貴下は、身体が弱いのです。当分外へは出てはなりません、と
外出|禁制。 以前は、その形で、正真正銘の熊の胆、と海を渡って売りに来たものが....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
たような心持で、病気も何にもあったもんじゃあないわ。野へ行く、山へ行くで、方々|
外出をしてね、大層気が浮いて可い心持。 出来るもんならいつまでも旦那が居ないで....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
男子のみでは困りますので、一人の腰元にも乗馬の稽古を致させました。その頃ちょっと
外出するにも、少くとも四五|人の従者は必らずついたもので……。 今度はその時分....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。じぶん用のとりかごをいただいて、まいにち、ひる二どと、よるいちどとだけ、
外出をゆるされました。でかけるときには、十二人のめしつかいがひとりひとり、とりの....