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外地
「外地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女神」より 著者:太宰治
ん。」 まぎれもない狂人である。満洲で苦労の結果の発狂であろう。或《ある》いは
外地の悪質の性病に犯されたせいかも知れない。気の毒とも可哀想とも悲惨とも、何とも....
「河明り」より 著者:岡本かの子
私たちは市中で昼食後の昼寝時間の過ぎるのを待った。 叔母はさすがに女二人だけの
外地の初旅に神経を配って、あらゆる手蔓を手頼って、この地の官民への紹介状を貰って....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
し、故国も変ってしまってナチスという、反共の天下になった事も初めて知った。だが、
外地へゆく宣教師には特別の使命がある。スパイもやれば宣伝もやる。彼はそういう種類....
「光の中に」より 著者:金史良
に考えたのだった。貧しい彼の一家は今まで朝鮮に移住生活を続けていた。その時に彼も
外地へ渡った一般の子供のようにつむじ曲りの優越感を持たされて帰ったのであろう。だ....
「雀」より 著者:太宰治
ら。内地では、二、三時間汽車に乗っても、大旅行の感じでとても気疲れがするのだが、
外地では十時間二十時間の汽車旅行なんて、まるで隣村へ行くくらいの気軽なものなのだ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
府当局が、該問題に力を入れないということは凡そ不可能なことだ。政府は各省並びに各
外地当局へ、この声明の主旨を伝達し、各省をして従来行って来たこの種の運動を報告さ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
うだ。 この犯人から特別つよく感じさせられるのはむしろ戦争の匂いである。私は、
外地の戦場は知らないのだが、私の住む町が一望の焼け野となり、その二カ月ほど後に再....
「火の扉」より 著者:岸田国士
いうふうに仕込まれてしまつたんだから、そうなるのは当りまえですよ。わしもしばらく
外地の生活をしてみて、つく/″\そう思つたね。日本人つてやつは、楽しい夢をみるな....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
のようなことが芸術の歴史に記されたためしはない。 太平洋戦争が開始されて以来、
外地向け映画の問題がやかましく論議せられ、各人各様の説が横行しているが具体的には....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
行に有益な教示や助言を与えてくれた。こういう長崎的々な、否、全然日本ばなれのした
外地の安宿そのまま的の存在がいつまでもこの町にあるということは、物好きな旅行客に....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
原因は夫が失職して妻が働いたのが失敗の元ですな。この夫は手記の中で(第一の投書)
外地の生活は地位の低い方でもなかったというようなことを仰有るが、その同じような地....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
はしがき 武田さんのことを書く。 ――というこの書出しは、実は武田さんの真似である。 武田さんは
外地より帰って間もなく「弥生さん」という題の小説を書いた。その小説の書出しの一行....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
糸もまとわぬ裸から、想像できるのは、わずかに辻強盗ぐらいなものだった。 小沢は
外地から復員して、今夜やっと故郷の大阪へ帰って来たばかしだが、終戦後の都会や近郊....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
カのはこを作れと命令されるなど陸海軍正反対の注文を受けたりした。 そして終戦。
外地の工場はすべて接収され、国内でも半分以上が焼失した。私は残った工場と従業員た....
「戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
ーナリズムは成立しないのは勿論だからだ。戦争は社会秩序の一つであったからだ。――
外地についてばかりではない。軍部が国策を決定する姿態を取るに及べば、国内に於ける....