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外方
「外方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なければならないとした。またスウェデンボルクのみならずカントの考えでも、太陽系の
外方にある遊星に多数の衛星のあるのは、つまりそれら遊星の幸福な住民を喜ばせるため....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
傾きかけた。 「月の軌道より外へ出ているのか」 「そうです。正に一万キロメートル
外方です」 外の騒ぎは少しずつはげしくなった。月はだいぶん高く上って来た。私は....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
つまり、不自由な方の足を、趾先がガクッとならないように足掌を斜めにして、内側から
外方にかけて弧線を描きながら運ぶからだよ。すると、健康な脚を運んだ時しか音が立た....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
手は相変らず素気なく答えた。人夫達は荷造りの手を止めると、思い/\に腰を下して、
外方を向きながら煙草を吸い出した。 「分らないかね」 石子は落胆したように、 ....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
配から免れている。肉体が束縛されているかわりに精神が解放されている。頭脳の働きが
外方へ向くのを止められているので自然に内側へ向かって行くせいだと言われる。 現....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
は踊らないであろう。 欧州大戦前におけるカイゼル・ウィルヘルムのドイツ帝国も対
外方針の手首が少し堅すぎたように見受けられる。その結果が世界をあのような戦乱の過....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
してその葯を花の奥のほうに向けていること、それからめしべの柱頭はおしべよりも長く
外方に飛び出してしかもやはり同じように曲がっているということである。それで、虻が....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
大枝|髑髏《どくろ》の左眼《ひだりめ》より射る樹《き》より弾を通して五十フィート
外方に直距線』)」 「だが」と私は言った。「謎は依然として前と同じくらい厄介《や....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
造の汽車を見る。その車輪は申し合わせた如く、荷車か何かの如く、車体よりもはるかに
外方へ出張っているのだ。そしてその形といえば到底、汽車のかすかな感じさえも出てい....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
うだいよ……三十銭」女はそう言ってぎこちなく笑った。そして身体をちょっと振って、
外方を見た。 彼はせっかくの気持がこじけて、イヤになった。その時、家の前を四十....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
説と容疑者とは思われぬ明朗さには、一同の度胆を抜くものがあった。 その間法水は
外方を向いて、この室の異様な装飾を眺めていた。今入った板戸の上の長押には、土蜘蛛....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
いところがあった。と云うのは鉄之進が眼をやった時、急に話を止めてしまって、揃って
外方を向いたからである。そうしてお互いに間隔を置き、連絡のない他人だよ――と云っ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
属的の違いだけのことで、愕くほどのことはなかった。しかし内臓はなんとなく内部から
外方へプリプリと飛び出してきたような感じがした。 医師はそのときメスを上の方へ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、……大木老木權木類が、空を被い四辺を暗め、月光を遮っているがために、二人の姿は
外方から見ては、ほとんど見ることが出来なかった。 時もかなり経っていた。 (逸....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
また静まりかえり居る淋しさ。かえって遠くに売りあるく鍋焼|饂飩の呼び声の、幽かに
外方より家の中に浸みこみ来たるほどなりけり。 源太はいよいよ気を静め、語気なだ....