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外来患者
「外来患者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外来患者の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
るのももどかしく、阪大病院へかけつけると、浜子はいなかった。結婚したときかされ、
外来患者用のベンチに腰を下ろしたまま暫くは動けなかった。今日は無心ではない、ただ....
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
ばらく待っていてください」 と言って引きあげてしまった。後になってこの小さな家が
外来患者の診察室であると知った時尾田は喫驚《びっくり》したのであったが、そこには....
「明暗」より 著者:夏目漱石
す。もう少しの辛防《しんぼう》です」
これよりほかに云いようのなかった医者は、
外来患者の方がまだ込《こ》み合《あ》わないためか、そこへ坐《すわ》って二三の雑談....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
後一時頃の事でした。 重態の脳膜炎《のうまくえん》患者の手術に疲れ切った私は、
外来患者の途絶えた診察室の長椅子に横たわって、硝子《ガラス》窓越に見える横浜港内....
「秋日記」より 著者:原民喜
でしょう」と妻は愁《うれ》わしげに云う。その日、津軽先生から話があるというので、
外来患者控室の前で逢うことになっていた。 彼は廊下の椅子に腰を下ろして待った。....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
手の廊下に曲り込んで行った。 その廊下には、大きな診察室兼手術室が、会計室と、
外来患者室と、薬局とに向い合って並んでいたが、その薬局の前の廊下をモウ一つ右に曲....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
。 僕が、恢復後、精神病者を観察して得た結論も、概して、そうであった。 僕が
外来患者の診察を見学したとき、十人くらいは分裂病であったが、どうです、驚いたでし....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
いから、前日に札を取って置いて翌日に買いに来るというほど繁昌した。丁度大学病院の
外来患者の診察札を争うような騒ぎであったそうだ。 淡島屋の軽焼の袋の裏には次の....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
き、服を着換えて茶を呑み、それから書斎に入るか、或は病院に行くかである。病院では
外来患者がもう診察を待構えて、狭い廊下に多人数詰掛けている。その側を小使や、看護....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
の即死、十数名の負傷者を出したけれども、学生、看護婦の勇敢な活動によって、入院・
外来患者には一人の犠牲者も出さなかったほどである。この大学はもう戦《いくさ》にな....
「澪標」より 著者:外村繁
ばれて行く。九時三十分であった。 カーテンの外の廊下には、いつの間にか、大勢の
外来患者が詰めかけている。私はその椅子の一つに腰をおろす。 あの時、私は印形の....
「落日の光景」より 著者:外村繁
、午後一時五分、妻は手術室に入った。私は廊下の椅子に腰かけている。午後になると、
外来患者の数は少くなり、廊下は急に閑散になる。私が腰かけている椅子の横に、担架を....
「放浪」より 著者:織田作之助
るのももどかしく、阪大病院へかけつけると、浜子はいなかった。結婚したときかされ、
外来患者用のベンチに腰を下ろしたまゝ暫くは動けなかった。今日は無心ではない、たゞ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
っていた。超自然界への目がはじめて開いたのである。 大学の三年生になると各科の
外来患者診療の実習が始まる。二年生までは死体を材料とした基礎医学が主であったが、....