»
外被
「外被〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外被の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
いて、頗る人間離れのした恰好の物である。怪しく動かない物である。言わば内容のない
外被である。ある気味の悪い程可笑しい、異様な、頭から足まで包まれた物である。 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
た。焼夷弾ではなさそうだ、火が見えなかったから。 (翌朝見たら、油脂焼夷弾の筒の
外被と導線管であった。いずれも一メートルのもので、
外被は英のすぐそばへ落ち、導線....
「地球要塞」より 著者:海野十三
》から顔面をなでて、流れだした。 「開扉《かいひ》します」 オルガ姫が叫んだ。
外被《がいひ》が開いた。私の目に、プラットホームの灯が、痛いほどしみこんだ。私は....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
「――火星の生物が、地球へ攻めてくるときには、まず最初われら人間と同形をした耐圧
外被をかぶってやってくるであろう。それは人間にちかづいたとき、相手から警戒せられ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
室へと入込みぬ、見れば茲には早や両人の紳士ありて共に小棚の横手に立てり、其一人の
外被に青白赤三色の線ある徽章を佩たるは問でも著き警察官にして今一人は予審判事なら....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
是ではと差し出すのを開けて見ると少し着古したけれど着るに着られぬ事はない、紺色の
外被《こうと》と筒袴《ずぼん》が入って居る、筒袴は要らぬと
外被だけを取って、上へ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
ほんのわずかの延長にしか過ぎないからである。人間の飽くことなき欲望がこの可能性の
外被を外へ外へと押して行くと、この
外被は飴のようにどこまでもどこまでも延長して行....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
認める事が出来る、そして破裂する時に、先ず一方へ閃光のように迸り出る火焔も見え、
外被が両分して飛び分れるところも明らかに見る事が出来る。風の影響もあるだろうが、....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
のであって、哲学者自身は夫を自覚しなくても、学の「純粋性」とか「客観性」とかいう
外被の下に、世間が哲学に向かってそういう哲学態度を要求するのである。 * 政治学....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
る条件での論理的な核心を宿している。だから世界観の有つ一定の主張は、その情緒的な
外被の下に示された或る段階の論理的な真髄――客観的世界の存在に関わる――を内容と....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
な常識に堕するのであって、それがそのままの卑俗さを蔽いかくすためにアカデミックな
外被などをまとうと、見るに耐えないウスぎたない「理論」――「哲学」になる。例えば....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
るように、道徳は事実としてのその合理的科学的な核心を忘れられて、専らその神秘的な
外被として、尊重されるのである。常識で云う所謂道徳は、例えば人間の社会生活の規範....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
――この論理が使う色々の根本概念は、実際上はどういう外貌をもった具体的表象をでも
外被として纏うことが出来る。実際吾々は表象をアナロジーやユーモアやファンタジーや....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
愚蒙《ぐもう》との、混合であった。彼の性格が、おのれの運動を拘束する故人の性格の
外被をつき破ることができるのは、ごく時々にしかすぎなかった。
彼はただ一人であ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
に向いたあたしの部屋へ連れこむと、兵隊さんはものもいわずにピアノのほうへ行って、
外被《リード》をあげてレグレティングのところをおさえてみて、それからひくい声でつ....