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外貌
「外貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
母が同棲するようになってからは、その感化によって浄土真宗に入って信仰が定まると、
外貌が一変して我意のない思い切りのいい、平静な生活を始めるようになった。そして癲....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は悟った。然し私のようには悟らなかった。それが一体何になろう。これほど体裁のいい
外貌と、内容の空虚な実質とを併合した心の状態が外にあろうか。この近道らしい迷路を....
「振動魔」より 著者:海野十三
その牝豚夫人は、白石雪子と云って、柿丘よりも二つ歳上の三十七歳だった。だが、その
外貌に、それと肯く分別臭さはあっても、凡そ彼女の肉体の上には、どこにもそのように....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
なかった。しかし安吉の妻の陳述によって、その不満は半ば拭われ、警官達には、事件の
外貌だけがあらまし呑み込めて来た。 重なる異変に気も心もすっかり転倒しつくした....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の王様とは。ハハハハ久我さん、僕はラファテールじゃありませんがね。人間の内観を、
外貌によって知る術を心得ているのですよ」
算哲の心臓――それには、鎮子ばかりで....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
ゃないか」と、いきなり一拶を与えた事がある。僕はその時天岡の翁も、やはり小杉氏の
外貌に欺かれているなと云う気がした。 成程小杉氏は一見した所、如何にも天狗倶楽....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
古屋敷に何故か軽い興味を覚えていた。雄太郎君の抱いた興味というのは、只この屋敷の
外貌についてだけではなく、主としてこの古屋敷に住む秋森家の家族を中心としてのもの....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
実の社会生活・政治意識を表現している一群が、象徴派に対する自然派運動を行うと言う
外貌を持っていると見るべきであろう。此派の詩は、技巧意識を別にしているのだから、....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
度に入る時には、何とも形容し難い「物」になって仕舞い、自然が与えた美しさだけが、
外貌に残る。少し眼尻が下り、媚びて居るのか嘲って居るのか愁えて居るのか判らない大....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
を立証する何等の証左も無い事は、如何とも出来なかった。係官一同は、錯綜した事件の
外貌から、出来得る限りの真意を掴み取ろうと考え、次のような可能的な仮説を作り上げ....
「迷信解」より 著者:井上円了
を雇うに、その相性を問うなど、いずれも愚の極みである。 古来人相と称して、人の
外貌につきて、その人の運不運、吉凶を占定する法がある。これを細別すれば、面相術、....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
居好きが芝居の形情を想出するときは、自然にその手足をうごかし、その身体を動かして
外貌に示すに至る。これみな、心中にその意を注ぐところのもの、知らず識らず発して外....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
してその僧は、学識といい職業といい、一般の村民に異なることなし。ただその異なるは
外貌上、黒帽をいただき黒衣を着し、長髪長髯これのみ。しかして寺務の余間には、僧は....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
その令兄は、私に何日でもゆっくり滞在しろと云ってくれた。だが、私はただS金山の
外貌を一瞥しただけで、数日後に再び立ちもどって来ることにしてそこを発たねばならな....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
て行こうとする勇気を欠いてはいないか。容易なだらけ切った気持ちで有るが儘の世相の
外貌を描いただけで、尚お且つ現実に徹した積りでいるなど、真に飽きれ果てた話だ。こ....