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外面
「外面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ら、女のようにやさしい声を出した。この男は不思議な性格を持っている。というのは、
外面の行為と内面の心意とが、たいていな場合は一致しない。しないどころか、いつでも....
「或る女」より 著者:有島武郎
えた。
「それでもあなた」
と葉子は切《せつ》なさそうに半ば起き上がって、
「
外面《うわつら》だけで人のする事をなんとかおっしゃるのは少し残酷ですわ。……いゝ....
「或る女」より 著者:有島武郎
行くもんじゃないといいますが、そうしてあなたの生活なんぞを見ていると、それはごく
外面的に見ているからそう見えるのかもしれないけれども、実際ずいぶん複雑らしく思わ....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
は非常に真正直な、また細心なある意味の執拗《しつよう》な性質をもっていた。そして
外面的にはずいぶん冷淡に見える場合がないではなかったが、内部には恐ろしい熱情をも....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
れんま》の手術、今じゃ今じゃと、木戸番は濁声《だみごえ》高く喚《よば》わりつつ、
外面《おもて》の幕を引き揚《あ》げたるとき、演芸中の太夫はふと外《と》の方《かた....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
別れの挨拶をすますと、ガラス戸を引きあけて戸外に出た。 私はガラス窓をこずいて
外面に降り積んだ雪を落としながら、吹きたまったまっ白な雪の中をこいで行く君を見送....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
がけるがいい。然しここにくれぐれもお前に注意しておかねばならぬのは、今までお前が
外面的の、約束された、習俗的な考え方で、個性の働きを解釈したり、助成したりしては....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
してくれるだろう。 君、僕の懊悩はまだそればかりではない。僕の生活は内面的にも
外面的にも、矛盾と矛盾で持ち切っているのだ。趣味の上からは高潔純正をよろこび、高....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
の口あり。奥の正面、及び右なる廻廊の半ばより厚き壁にて、広き矢狭間、狭間を設く。
外面は山岳の遠見、秋の雲。壁に出入りの扉あり。鼓の緒の欄干|外、左の一方、棟甍、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
所がないにも係らず、何所とも知れず二人の間に大変似たところがあるのです。つまりは
外面はあまり似ないくせに、底の方でよく似て居ると言った、よほど不思議な似方なので....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
捜し出し、人知れずその体内にくぐり込んで、酒色の慾を満足せんとするのである。即ち
外面的に観れば、それは人間の乱行であるが、内面的に観れば、それは地縛の悪霊の跳躍....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
真面目だとか緊張が足りないとかいつて攻撃する。 攻撃される側ではつい世間なみに
外面緊張形式を踏襲してあえて逆らわないように心がけるため、余裕の精神はますます視....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は串戯だけれどもね、うっかり、人を信じて、生命の親などと思っては不可せん。人間は
外面に出さないで、どういう不了簡を持っていないとも限りません。 こういう私です....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
察するにあるも、その視察は普通尋常の視察にあらず、哲学的の視察なり。尋常の視察は
外面一様の視察に過ぎず、目前直接の視察に過ぎず、哲学的の視察は内部の視察なり、原....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
在学児童わずかに四十万八千人なりという。衣食住のごときはもっぱらパリの風に倣い、
外面華美を競うも、内容これに伴わず。その嗜好するところは俗に走りて雅を欠き、理想....