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「多夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
どの理髪師《りはつし》になり了《おお》せている。 謹厳なる君は僕のように、一妻多夫に甘んずるものを軽蔑《けいべつ》せずにはいられないであろう。が、僕にいわせれ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
が同姓にして如何ぞ無数の後胤を遺し得んや。それからインドで一夫多妻の家の妻と一妻多夫の家の妻とが父系統母系統の優劣について大議論したのを読んだが今ちょっと憶い出....
私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
自然に備えていたとは想像することが出来ない。古代に溯って見ればいずれの国民も一婦多夫であり、また一夫多妻であった。また家長族長としての権利を男よりも女の方が多数....
私娼の撲滅について」より 著者:与謝野晶子
欲とを満足させていた。それは現に動物界で見るような状態であった。一夫多妻も、一婦多夫も、その様式こそ違え、共に女の性欲的欲求からでなくて、男の性欲的欲求から脅迫....
男女関係について」より 著者:大杉栄
あろうが、たとえば同じ自由恋愛でもあるいは一夫一婦の、あるいは一夫多婦のあるいは多夫多妻の種々なる形をとることができようが、男女関係は、大して珍らしいことでもな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
高らかに歌ったかと思うと、急に反身《そりみ》になって、 一夫多妻の国では 一妻多夫を野蛮だと申します 一妻多夫の国の女は 一人の女が一人の夫しか持てない そん....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
元フランスの首相であったブルムが「結婚の幸福」について論文があり、それは男も女も多夫、多婦的傾向をもっているのだから、或年齢までそれでやって後結婚すると幸福だと....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
なるばかりなのである。 原始人の生活に於ては、家庭というものは確立しておらず、多夫多妻野合であり、嫉妬もすくなく、個の対立というものは極めて稀薄だ。文化の進む....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
男女共に守る可き所なれども、我国古来の習俗を見れば、一夫多妻の弊は多くして、一妻多夫の例は稀なるゆえ、金石の如き心は特に男子の方にこそ望ましけれ。然るに此男子を....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
、煙草容れ、茶筒、木椀など、なにもかもみなそこへおさまってしまう。 西蔵は一妻多夫の国で、兄弟が五人あっても七人あっても細君は一人で間にあわせる。地味が痩せて....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
おいても勇敢であった。そうして男が多妻であるごとく、女も、つぎつぎにではあるが、多夫に見ゆることを辞せなかった。万葉の女詩人|鏡女王は、もし額田姫と同人であるな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
り夫婦の関係になって居るです(婚姻についての面白い話は後にお話します)。いわゆる多夫一妻です。チベットの国は痩せた国ですから兄弟銘々に妻を持つことになると、財産....