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「多少〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多少の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》にこちらへ歩いて来る。が、顔ばかりになった時、ちょっと立ちどまって何かを見る。多少驚きに近い表情。 40 人だかりのまん中に立った糶....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
問題でございますから、せめてその間の苦しみだけでも先生のような方の御耳に入れて、多少にもせよ私自身の心やりに致したいと思うのでございます。」 こう云われて見る....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
… 「若槻《わかつき》はまたこうもいうんだ。あの女はこの半年《はんとし》ばかり、多少ヒステリックにもなっていたのでしょう。一時はほとんど毎日のように、今日限り三....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
然すぎるほど、ふさわしく思われる事であった。が、一方ではまたその当然すぎる事が、多少の反撥《はんぱつ》を心に与えたので、私は子爵の言《ことば》が終ると共に、話題....
河童」より 著者:芥川竜之介
しました。なんでもチャックの返答はだいたいこうだったように覚えています。もっとも多少細かいところは間違《まちが》っているかもしれません。なにしろまだそのころは僕....
」より 著者:芥川竜之介
の手紙はいつも彼の読んだ社会科学の本の名を列記していた。)しかし彼のいないことは多少僕にはもの足《た》らなかった。僕はKと会う度に必ず彼の噂《うわさ》をした。K....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
独逸《ドイツ》に対する彼の敵意は勿論僕には痛切ではなかった。従って僕は彼の言葉に多少の反感の起るのを感じた。同時にまた酔《よい》の醒《さ》めて来るのも感じた。 ....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
毎夜の事ながら、気疲れを感ぜずにはいられなかった。と同時にまた独りになった事が、多少は寂しくも思われるのだった。 雨が降っても、風が吹いても、川一つ隔てた藪や....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
》い男だった上に腕も相当にあったと言うことです。けれども半之丞に関する話はどれも多少|可笑《おか》しいところを見ると、あるいはあらゆる大男|並《なみ》に総身《そ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
眼鏡の眼を洋一へ挙げた。 「東枕《ひがしまくら》でしょう。この方角が南だから。」多少心もちの明《あかる》くなった洋一は、顔は叔母の方へ近づけたまま、手は袂《たも....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
アノも黒い胴を光らせている。鉢植えの椰子《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが、家賃は案外安いのですよ。 主筆 そう云う説明は入....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
中でも比較的楽な方《ほう》だったかも知れない。が、彼の日記によれば、やはりいつも多少の危険と闘《たたか》わなければならなかったようである。 「七月×日 どうもあ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
の夢の中の鮒は識域下《しきいきか》の我《われ》と言うやつなんだ。」――そんな気も多少はしたのだった。 二 ……一時間ばかりたった後《のち》....
格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
した格さんである。 次手に顔のことを少し書けば、わたしは宇野の顔を見る度に必ず多少の食慾を感じた。あの顔は頬から耳のあたりをコオルド・ビフのように料理するが好....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
って欲しい。というのは、まず科学そのものを味った人であることが必要であると同時に多少文才のあることを要する。悲しいかな、著者は自ら顧みて、決してこの二つの条件を....