多年[語句情報] » 多年

「多年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
に甚太夫の快方を祈願した。病人も夜長の枕元に薬を煮《に》る煙を嗅《か》ぎながら、多年の本望を遂げるまでは、どうかして生きていたいと念じていた。 秋は益《ますま....
或る女」より 著者:有島武郎
は何事もわだかまりのなくなった葉子の胸の中を清水《しみず》のように流れて通った。多年の迫害に復讐《ふくしゅう》する時機が来たというように、岡までをそそのかして、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
一門の富貴栄華は、一にこの夫人に因って代表さるると称して可い。 夫の理学士は、多年西洋に留学して、身は顕職にありながら純然たる学者肌で、無慾、恬淡、衣食ともに....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
また防御の術を授けた。彼は結婚の制を定め、国家の基礎を置き、また宗教を創設した。多年の賢明な治世の後にハイムダルがある冬の日に永遠の眠りについたときに、始めに彼....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
……姥、堪忍して行かしておくれ。 姥 ああ、お最惜い。が、なりますまい。……もう多年御辛抱なさりますと、三十年、五十年とは申しますまい。今の世は仏の末法、聖の澆....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
唄を聞きたさに、尋ねた時分……今から何年前だろう、と叔母が指を折りましたっけ……多年になりますが。」 三十一 「故郷では、未婚の女が、丑年の丑の日....
星女郎」より 著者:泉鏡花
。 暑中休暇に、どこかその辺を歩行いて見よう。以前幾たびか上下したが、その後は多年|麓も見舞わぬ、倶利伽羅峠を、というに過ぎぬ。 けれども徒労でないのは、境....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
言ではございますが、私はそれをきいて心から難有いと思いました。私の胸に積り積れる多年の鬱憤もドウやらその御一言できれいに洗い去られたように思いました。 『斯んな....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
るものは、主として魂と魂の交渉であり、又死後に於て魂の辿るべき宿命の問題である。多年物理学的諸現象の考察にのみ従事せる人達の頭脳は、この種の問題の研究には、適当....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
武揚の二氏に寄せてその意見を徴められしものなり。先生の本旨は、右二氏の進退に関し多年来心に釈然たらざるものを記して輿論に質すため、時節を見計らい世に公にするの考....
妖怪学」より 著者:井上円了
我が輩が詩歌を作ることを稽古するに、はじめに種々工夫思慮してはじめて成るものも、多年この一事をもって習慣となしたるものは、口を発すればただちに詩となり歌となるに....
迷信解」より 著者:井上円了
りて、児童に迷信の信ずるに足らぬことをよく教え込んでおかねばならぬ。よって、余は多年このことを研究したりし廉をもって、『修身書』に示されたる迷信の箇条を詳細に解....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
雑より生ずるなり。 まず第一の事情を述ぶるに、従来意力を用いてなしたることも、多年その一事をもって習慣となすときは、自らこれを識覚せずして自然に成るに至る。例....
西航日録」より 著者:井上円了
声にうずめられ、秋雨蕭々のうちに横浜に着す。ときに拙作二首あり。 留別 力学多年在帝都、始知碌碌読書愚、欲扶後進開文運、再上航西万里途。 (学問の修得につと....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
誠に無理な要求であり、立案の基礎条件は甚だ曖昧を極めていたにかかわらず、宮崎氏の多年の経験と、そのすぐれた智能により、遂に昭和十一年夏には日満産業五個年計画の最....