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「多幸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多幸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
轟然と音を発して、両者殆んど同時に各々の敵を目がけながら放たれましたが、まことに多幸! 千年鍛錬の大和ながらなる武道の技の冴えは、遂に俄か渡来の俄か武器に勝って....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
となったものが感ぜられました。 そうして二三年|経《た》ってから。 『若き君の多幸を祈る』と啄木歌集の余白に書いてくれた美少年上原が、女に身を持ち崩《くず》し....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ズ、日頃ノ御礼言モ申述ベズ、御先へ参リマス御無礼ヲ何卒悪シカラズ御宥恕下サイ、御多幸ヲ祈ッテ居リマス 一、我等ノ遺骸ハ其ノ儘御埋メ捨テヲ乞フ、竹陵ノ眠ヲ覚マシ給....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
の「探偵小説」に使用されるであろう。そして、「探偵小説」はそれによってのみ、愈々多幸なる未来を有しているといっていいと思う。 最後に、「探偵小説」に於ける日本....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
しからまし」の如き御言葉を、皇后の御生涯と照らしあわせつつ味い得るということの、多幸を私等はおもわねばならぬのである。「見ませば」は、「草枕旅ゆく君と知らませば....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
毛を逆立たせ口から雷鳴を発せしむる神の息吹《いぶ》き……。おお力よ、力よ! 力の多幸なる雷電よ。 クリストフは息を凝《こ》らしてその力を飲み込んだ。ドイツ人の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ら、彼女の魂を、友の魂のうちに流し込んだ。彼らはいっしょに月日の影の外に出でて、多幸なる山嶺へ到達した。そこには、三人の美の女神のごとく、気高きロンドをなして、....
恋愛論」より 著者:坂口安吾
けはいい得るだろう。 ★ しかし、人生は由来、あんまり円満多幸なものではない。愛する人は愛してくれず、欲しいものは手に入らず、概してそうい....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
お墓を見ていることを目に描きながら死にたいのですもの。おねがいです。 先生の御多幸をいのります。 四 青木はルミ子の遺書を読み終えて、長平に返....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
か、もうお目にかかれないか、どちらかです。 さらば、撲の大事なマーガレット。御多幸を祈るとともに、僕に傾けてくださったあなたのあらゆる愛情と親切に対して厚く厚....
小説 円朝」より 著者:正岡容
めていた。 ……しかもその景色は、こうした寺方の墨一色の世界とは比ぶべくもなく多幸な多彩なこの世ながらの大歓楽境のようおもわれないわけにはゆかなかった。いまの....
西瓜」より 著者:永井荷風
、わたくしの身に猫のような陰忍な児《こ》のないことを思えば、父の生涯に比して遥に多幸であるとしか思えない。もしもわたくしに児があって、それが検事となり警官となっ....
」より 著者:神西清
御報告申し上げ、かつは貴下の御仁愛を知りつつ、早急の御援助を願い奉ります。貴下の多幸を祈る者より。』 明らかにこれは、その女医補自身か、でなければこの獣の名前....
日本橋附近」より 著者:田山花袋
の底にぴたりと触れたような気がして、身体がはち切れそうな充実をそこに感じた。 『多幸多福! これに越す多幸多福があるか?』 私はこんなことを心の中に叫んだ。 ....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
他私がはじめて額縁を買った家もこの家である。先だって火災にあって半焼したそうだが多幸を祈る。 十一屋も古い、佐野屋も古い。佐野屋は、二丁目の海老屋とともに日本....