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「多忙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多忙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
たので、とても合巻《ごうかん》の方へは手が出せそうもない。」 「なるほどそれは御多忙で。」 と言ったかと思うと、市兵衛は煙管で灰吹きを叩《たた》いたのが相図《....
河童」より 著者:芥川竜之介
抽斗《ひきだし》に予の秘蔵せる一束《ひとたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するところにあらず。今やわが心霊界はおもむろに薄暮に沈まんとす。....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
彼は二十代に結婚した後、一度も恋愛関係に陥らなかった。何と言う俗悪さ加減!多忙 我我を恋愛から救うものは理性よりも寧《むし》ろ多忙である。恋愛も亦完全....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
伝令が、電文を握ってきた。 「報告です」 「よオし。こっちへ貸せ」有馬参謀長は、多忙であった。「おお、これは……」 参謀長は、キッと唇を噛んだ。 「閣下。海軍....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
えず重大人物と申上げたわけでありまするが……」 「お話中ですが、われわれは非常に多忙でありますし、且《かつ》又《また》非常に重大事件を数多抱えて居りますために、....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
とになっていて、かの金博士の発明になる人造人間戦車の部分品の製造監督に、すこぶる多忙を極めていた。 「どうじゃな、油学士。どうも生産スピードが鈍いようじゃないか....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
、彼の乗った気球の方に向けられたときだった。 それまでのところは、彼は地上員が多忙の中を駈けつけて、彼のために繋留気球第一号の綱をゆるめてくれたものとばかり考....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
濺いだのは心霊問題で、之が為めには、如何なる犠牲をも払うことを辞せなかった。彼が多忙な生活中に、閑を割いて面会を遂げた政治界、貴族社会、学会、文学界、芸術界等の....
故郷」より 著者:井上紅梅
ないのだろう。しばらく思案に沈んでいたが煙管を持出して煙草を吸った。 母は彼の多忙を察してあしたすぐに引取らせることにした。まだ昼飯も食べていないので台所へ行....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばならないが、女の子は自分で自分の世話はできるというのだった。このようなわけで、多忙な女房が家じゅうをかけずりまわったり、あるいは、ヴェランダの片隅で紡ぎ車をま....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
理学において研究しておったけれども、いまだ一科の学問とはなりません。畢竟、学者が多忙にして、実際、手を下すひまもなかったのであります。しかるに、私は心理学を研究....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
談も済まない中に撃退されてブツクサいうのは珍らしくなかった。 尤も沼南は極めて多忙で、地方の有志者などが頻繁に出入していたから、我々|閑人にユックリ坐り込まれ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るにあらず。そのうち往々政教上に必要ならざるものあるべしといえども、帰朝後意外に多忙にして、緩々訂正取捨するのいとまなければ、その日記中、草案のまま編成するに至....
西航日録」より 著者:井上円了
渺漠、檣頭風掛自清涼、更無山影入吟望、時有月光窺客牀、喜此波上甚静穏、笑我閑中却多忙、或説礦業或美術、談罷呼茶又挙觴、勿謂五千里程遠、従今旬余到家郷。 (双輪船....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に染まっている。畑のうねのかなたに一日中児童が老人をたすけて、八月の典州は農事に多忙である。) 車窓より村落の農家を望むに、屋根は赤瓦またはブリキを赤く塗りた....