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多産
「多産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、幼稚でとても発表する気にはなれませんよ。はははは」と笑ったっけ。俺は、あの人の
多産に感心すると共に、その暢気《のんき》さにも感心した。発表する気にはならないと....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
面のように見えるのは、なぜであろうか。もちろんそれには、あの耐えられない憂鬱や、
多産のせいもあるとは云え、たかが三十を二つ越えたばかりの肉体が、なぜにそう見る影....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
近半世紀の間において物理学のみならず化学更に生理学の方向においても行われた非常に
多産的な革命の基礎となった。これによってエネルギーの不滅、永遠から永遠へのその存....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
々乙姫とか呼ばれる娘は随分生れた。しかし、それが縁付くとなると、草莽の中に鄙び、
多産に疲れ、ただどこそこのお婆さんの名に於ていつの間にか生を消して行く。それはい....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
るだけに少しは苦み走って見えるのが取柄だろう。 彼のおしゃべりは彼の文筆活動が
多産だからではない、そのしゃべり方がおしゃべりなのである。彼は時々眼を据えて、眼....
「婦人の天職」より 著者:堺利彦
、二人を産み、ある者は全くこれを産まず。ゆえにそれらの婦人がその余力をもって他の
多産婦人を助くるは、当然にしてまた自然の人情なるべし。ただ今日においては、人みな....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
れる。その時代の流行によって希臘神話と聖書に取材したもの多く、中庭にはこの精力的
多産家の墓があり、墓のうえに花壇がつくられ――何しろ往けども往けども静止する人体....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
洋造の生活は万事順調に進んだ。父の遺産は次第に殖えていった。お千代とお常とは幸に
多産で、お千代は五人の子を産み、お常は四人の子を産んだ。それから洋造は、仕事の関....
「都会に於ける中流婦人の生活」より 著者:豊島与志雄
彼女等の育児もまた、最初の子供のそれを除けば、殆んど機械的な働きに過ぎなくなる。
多産なる彼女等は、二年か三年毎に一人ずつ子を設ける。そして赤児から三歳ぐらいまで....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
し精神を統一することは、なかなかできなかった。いかなる仕事もできなかった。やがて
多産的になるべき精神的危機を、彼は通っていた。――未来の全生涯はすでにそこに芽《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いでしょうけれど、多くの子を生んだ過去の夫人たちよりも、未来にたいしてはいっそう
多産でしょう。なぜなら、彼女らから、彼女らの犠牲によって、新たなクラシック時代の....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
説界に対し、一種の誇りを覚ゆるに到ったのである。実際、「心理試験」ほどの傑作は、
多産な英米の探偵小説界にも、めったに見当る作品ではないと私は断言して憚らぬ。嘘だ....
「小酒井不木氏」より 著者:平林初之輔
。病弱の身で、多方面な研究と著述とに従いながらこれだけの収穫をのこした氏はかなり
多産な作家であったといえる。 五月号『新青年』に氏の「闘争」が載っている。科学....
「「可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編」あとがき」より 著者:神西清
する年代、つまり彼の三十八歳から翌年へかけての作品である。それはあたかも彼がその
多産な小説家としての経歴をとじて、すでに『かもめ』や『ヴァーニヤ叔父さん』などの....
「美食多産期の腹構え」より 著者:北大路魯山人
ぎりがない。餅だって寒餅というのが一番美味い。 私は秋十月から春二月までを美食
多産期として腹構えをし、次から次と食欲を満たしてくれる最好季節を無駄に過ごしたこ....