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「多角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
」 「実はやッと思い出したのだ。円とは……何だッたけナ……円とは無限に多数なる正多角形とか何とか言ッたッけ。」と、真面目である。 「馬鹿!」 「何《な》んで?」....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
まった細長い小路を通って、右へ曲がって、わが家の板塀にたどりつき、闇夜の空に朧な多角形を劃するわが家の屋根を見上げる時に、ふと妙な事を考えることがある。 この....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
財で恣に野趣を愛する。さても気やすいことではないか。 要するに江戸ッ児の趣味は多角的である。その都会美にも一致すれば、田園美にも合体する。かれらは炎塵の巷に起....
浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
が取れるようになっている。多数の人物を排した構図ではそれら人物の黒い頭を結合する多角形が非常に重要なプロットになっているのである。 頭髪は観者の注意を強くひき....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
と、赤、緑、白に塗り立てたおもて口、漆喰細工の稚い装飾、不可解に垂れ下った屋根、多角形に張り出ている軒、宝石・象牙・骨董を商う店、絹地屋――など、これらの商店は....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
れる。げんに雨と靉日と落莫たるただずまいとが、いましっかり私を押さえつけて、この多角的な怪物の把握で窒息させようとしているくらいだ。 WHY! ああ・いえす、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
のだ。じっさいいかに小さな異常現象へでもすこしの好奇心を振り向けることは、ここの多角壁の内部ではそれだけで一つの「許せない規則違反」なのだ。そこで私はただ聖マル....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。すると右の人物は、ここに初めて平生の僻見から離脱し、真理が思いの外に多面的、又多角的である所以を悟って来る。次にわれ等は、右の人物として吸収し得る限りの、多く....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
い。又、推理小説に限って、合作する方が名作が生れやすい。一面的な欠点がのぞかれ、多角的に観察され構成されて、トリックも発育し、マンネリズムに堕し易い欠点ものぞか....
議会の印象」より 著者:寺田寅彦
毛髪の持主で、女のようなやさしい声で永々と陳述した。その後で立った人は、短い顔と多角的な顎骨とに精悍の気を溢らせて、身振り交じりに前の人の説を駁しているようであ....
省察」より 著者:デカルトルネ
私が自分のうちに表現する図形と何ら異なるところがないし、またそれは、千角形を他の多角形から異ならせるところの固有性を認知するに何らの助けともならないからである。....
郷愁」より 著者:織田作之助
ぐるしい変転する世相の逃足の早さを言うのではない。現実を三角や四角と思って、その多角形の頂点に鉤をひっかけていた新吉には、もはや円形の世相はひっかける鉤を見失っ....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
る。従って中にある什具も国籍不明のちぐはぐなもので、数も少ない。ただ本堂と覚しき多角形の広間の、ひと側の中央に漢字で彫った法句経の石碑が床の上に屹立して礼拝の標....
夜の構図」より 著者:織田作之助
のを持っている。 人間を円にたとえてみれば、われわれはたいていの場合、この円を多角形に歪めて考えることが多い。多角形の辺を増せば円に近づくごとく、観念的な言葉....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
た。 そういうとき、未来はいずれに傾くともなく平衡を示しているとき、ベエコンの多角才能は、他のもう一つの方向にも働いていた。一五九七年一月、彼の著になる小冊子....