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「多角的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多角的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
能とは何か」より 著者:夢野久作
ない。 宝生流は観世流に次いで起ったものだそうである。その流風は観世の円満味を多角的に分解し、華麗味を直線的に引直して、威厳を増した……とでも形容しようか。そ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
財で恣に野趣を愛する。さても気やすいことではないか。 要するに江戸ッ児の趣味は多角的である。その都会美にも一致すれば、田園美にも合体する。かれらは炎塵の巷に起....
文芸時評」より 著者:宮本百合子
たような時代からこのかた、今日の世界の動きとその間に生きる作家の気持とは、いか程多角的に、観察と沈着と現実に対する透徹した洞察力を求めるところへ進んで来ているこ....
「道標」を書き終えて」より 著者:宮本百合子
「前衛を描け」と云った段階から前進して、更に広汎な社会関係の多様な局面をとらえ、多角的に歴史の前進する姿を描き得る方法であるはずだ。同時に過去の階級的文学が 文....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
れる。げんに雨と靉日と落莫たるただずまいとが、いましっかり私を押さえつけて、この多角的な怪物の把握で窒息させようとしているくらいだ。 WHY! ああ・いえす、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。すると右の人物は、ここに初めて平生の僻見から離脱し、真理が思いの外に多面的、又多角的である所以を悟って来る。次にわれ等は、右の人物として吸収し得る限りの、多く....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
だけでは又別にいろいろお困りらしいし。こちらの物価は二三割上ってはいるが、東京程多角的に生活に迫って来ないようすで、こちらの景気はどうですか、ときくと、誰も一様....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かわらず内心奥深く抱いているということが)きく顔々にもあらわれるから。 現実の多角的な鋭さ、錯綜を実に感じます。リアリズムというものの過去の限界についても考え....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
でしょうと思います。科学精神追求のテーマも面白いが、又「米」というような主題を、多角的に描けたら(そのことで即ち科学的に)実に素敵よ。日本の作家として、ね。わた....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
い。又、推理小説に限って、合作する方が名作が生れやすい。一面的な欠点がのぞかれ、多角的に観察され構成されて、トリックも発育し、マンネリズムに堕し易い欠点ものぞか....
議会の印象」より 著者:寺田寅彦
毛髪の持主で、女のようなやさしい声で永々と陳述した。その後で立った人は、短い顔と多角的な顎骨とに精悍の気を溢らせて、身振り交じりに前の人の説を駁しているようであ....
土から手が」より 著者:牧逸馬
体からも、再三の検証に係らず、何一つ現れない。こうなると、不思議《ミステリイ》は多角的なものとなって、第一に、この女は何者か? 自殺か? 他殺か? 過失死か? ....
探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
きりして使用されているということである。ぼかしや円みが全くない。非連続的であり、多角的である。円を描くのにコンパスを用いないで、どこまでも多角形の角の数を増して....
三国志」より 著者:吉川英治
敗北を喫し、やがてまた、西部方面から帰ってきた蜀軍のために、左右からつつまれて、多角的に打ち叩かれ、ついに渭水から総退却のほかなき態になってしまった。 大体、....