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夜会服
「夜会服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜会服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
杯だ!」 「うわーッ」 その声に迎えられて、真黒な帛地に銀色の装飾をあしらった
夜会服を着た赤星ジュリアが、明るいスポット・ライトの中へ飛びこむようにして現われ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
人種の口が動き、金紋つきの自動車が停まると制服が扉を開け、そこからTAXIDOが
夜会服を助け下ろし、アパルトマンへ急ぐ勤人の群が夕刊の売台をかこみ、ある人には一....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
しっくりと身体に引き締めて、まるで燐の鱗を持った不思議な魚のようだった。彼女らの
夜会服の裾は快活に拡がっていて、そうして背ろの一部分は靴にまで長かった。流行は絶....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
マンは彼女が死んだのを知った。 四 リザヴェッタ・イヴァノヴナは
夜会服を着たままで、自分の部屋に坐って、深い物思いに沈んでいた。邸へ帰ると、彼女....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
放って目立つのである。つまり、舞妓の独特のキモノ、だらりの帯が、洋服の男を圧し、
夜会服の踊り子を圧し、西洋人もてんで見栄えがしなくなる。成程、伝統あるものには独....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
が、このごろは小唄専門のルウロップ館あたりへ出る場合にはその必要は無い。黒一色の
夜会服に静まっても彼女の空気が作れるようになった。 女に娘時代から年増の風格を....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
傍に寄りつきたい心持ちで夢中になっていた。その夜、彼女はダイヤモンドの輝いている
夜会服を着ていた。それは格別彼女の美しさを増してはいなかったが、また別な美しさを....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
、招かれた客は一人も欠席せず、所定の時間には、所謂綺羅星の如く着飾った婦人連と、
夜会服に身を固めた男子連が、雲の如くに参集した。 戸外の喧囂たる状態とは反対に....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
は襞がゴシック風に重たく括れ、ラップの金銀の箔が警蹕の音をたてて居る。その下から
夜会服の銀一色が、裳を細く曳いて居る。若し手にして居る羽扇が無かったら、武装して....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
楽室でチー・ダンスが行われたと思ってくれたまえ。 僕はタキシード、妻は純日本式
夜会服を一着して押し出したものだ。そうして我等の同行者二十一人は、僕達二人を声援....
「城」より 著者:カフカフランツ
の廊下に、夜なか、ほとんど服を着ていないあらゆる男たちのあいだに、あんなに美しい
夜会服を着て現われたというだけのことで、それ以上のことではないのだ。
「それじゃ....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
晩大分更けてから、彼はアーニャの前に立ち停ってこう言った。 「お前はひとつ自分で
夜会服を縫わなければならんね。解ったかな? ただ頼むからマリヤ・グリゴリエヴナや....
「妖影」より 著者:大倉燁子
が――の淋しい畑の真中にありました。 棺に納めます時、私は娘が好んでいた純白の
夜会服を着せてやりました。それは私がロンドンに居りました時、娘を始めて社交界に出....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
客が帰るので大混雑だった。彼は興奮した顔をして、人を推し分けつつ、物色していた。
夜会服を着た一人の貴婦人が、自分の自動車を眼で探しながら、夢中になって延び上って....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
馬服を着て栗毛の馬に乗っている颯爽とした姿、もう一度は肌の透いて見えるような薄い
夜会服の上に毛皮の外套を引っかけて自動車に乗ろうとしているところ、実にぞっとする....