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夜床
「夜床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜床の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
私は自分をそのソナタの全感情のなかに没入させることができたことを感じた。私はその
夜床へはいってからの不眠や、不眠のなかで今の幸福に倍する苦痛をうけなければならな....
「門」より 著者:夏目漱石
あ、やっぱり身体《からだ》によくないでしょう」と小六がまた云った。 宗助はその
夜床の中へ入って、明日《あした》こそ思い切って、坂井へ行って安井の消息をそれとな....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、仮借しなかった。銀子も体に隙がないので、拭き掃除に追い立てられてばかりもいず、
夜床についてから読書に耽ったりして、寝坊をすることもあり、時には煩さがって、わざ....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
同じであつた。
「では、昨夜あなたが騒ぎで起された所から話して下さい」
「私が昨
夜床に入りましたのは多分十時頃だつたかと思います。いつも枕に頭をつけるとすぐ眠る....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
くさぞうし》でも、あの荒唐無稽ぶりは私は許せないと思います。睡気ざましの、いや、
夜床の中で眠気を誘うための読物だからとて、ああまで時代の考証を無視していいものだ....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
》るようにおもえた。だが、彼は押黙ってそのことは妻に語らなかった。……寝つけない
夜床の上で、彼はよく茫然と終末の日の予感におののいた。焚附《たきつけ》を作るため....
「戦争からきた行き違い」より 著者:夏目漱石
十一日の
夜床に着いてからまもなく電話口へ呼び出されて、ケーベル先生が出発を見合わすように....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
な状態に緊張されると、こんな錯覚が生じるものと見える。それよりも不思議な錯覚は、
夜床の中で目をねむって闇の中を見つめるようにすると、そこに絵の顔が見えて来る事で....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
歩いた。彼はこういう所に一人で来たこれが初めだった。来たい意思はいつでも持った。
夜床の中で眼をさますと、何かの拍子から「いても立ってもいられない」衝動を感ずるこ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
てこの冷水摩擦ができねば、手足が冷たくて朝起きても容易に仕事にとりかかれず、また
夜床にはいっても容易に眠られない。 しかし寒いのももうここ十日か二十日の間だ。....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ところは流石に真実でおもしろい。 ○ 筑波嶺のさ百合の花の
夜床にも愛しけ妹ぞ昼もかなしけ 〔巻二十・四三六九〕 防人 常陸那賀郡、上丁|....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
快につれていやでした。その感じも殆どなくなったら、昼間おきているとどうもなくて、
夜床に入ると夜半そのために目がさめる位脚からおなかにかけてつれて痛みました。その....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の家で畳干してバンバン叩いています、いかにもゴミの立つ音です。
それからね、昨
夜床に入ってから、ふといいこと思いついて、ホクホクして居ります。今に面白い静物写....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人遊びは面白いでしょう、きょう一日あなたは私のするいろんな細々したことのお伴で、
夜床に入らなければ放免にしてあげないという工夫です。 さて、さっき始めの封をし....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
食事をした。晩にはわざわざ電気を片隅に引張っていって其処で夕刊を読んだ。それから
夜床に就く前に、暫く蒲団の上に坐って何やら胸のうちで考えるのを常とした。その側の....