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「夜明かし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜明かしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ず、是で最う病気も癒ると云い、私を引き留めて放さぬのです、到頭私は叔父御の枕許で夜明かし同様に明かしました、ですが丸部さん肝腎の私自身が未だ秀子の其の後の有様を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。根負けがして寝床へ戻ったが、彼はいよいよ眼が冴えて眠られなかった。 どうで夜明かしと度胸を決めているのであるから、眠られぬのは平気であったが、今夜の出来事....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「仕方がねえ。こうなったらここで見張りだ。今夜じゅうには来るだろう」 「親分の夜明かしは御苦労ですね。家へ帰って誰か呼んで来ましょうか」と、勘太は云った。 「....
親子」より 著者:有島武郎
た。彼は堅い決心をしていた。今夜こそは徹底的に父と自分との間の黒白をつけるまでは夜明かしでもしよう。父はややしばらく自分の怒りをもて余しているらしかったが、やが....
人間灰」より 著者:海野十三
帰って蒲団を被って寝る方が恐ろしかった。皆云いあわせたように、隣り村の居酒屋へ、夜明かしの酒宴にでかけていった。 後に残されたのは、工場主の赤沢博士と、青谷二....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
服屋の息子|清七と、その手代の幾次郎で、この柏屋に泊まったのであるが、祭りは殆ど夜明かしで朝まで碌々眠られなかったので、夜が明けてから寝床にはいって午過ぎに起き....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るくなったように活気を生じた。焚火の烟りが威勢よく舞いあがっている前に、ゆうべは夜明かしであったと笑いながら話している職人もある。立ち停まって珍しそうにそれを眺....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
は武田方拙者は上杉。敵味方と別れてはいても今はお互いに放浪の身の上。同じ屋敷に一夜明かし、様々物語り致しましたこと、よい思い出となりましょう」主水はこう云って微....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら一緒に本陣林へでも逃げずかと思って、ちょっくら様子を見に来た。今夜はみんな山で夜明かしだげな。おまけに、この意地の悪い雨はどうだなし。」 独り者の婆さんまで....
縮図」より 著者:徳田秋声
をしているんだ。」 上がるとすぐ松島は呶鳴る。小菊は誰某と一座で、客は呑み助で夜明かしで呑もうというのを、やっと脱けて来たと、少し怪しい呂律で弁解するのだった....
安重根」より 著者:谷譲次
重根さんが来るまでは帰らねえぞ。 青年L そうだ、そうだ! みんな安さんを待って夜明かしするんだ。なあ、おい。 青年M 誰が安さんのほかに、生命を投げ出して決行....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
以外は帰ってしまうが、大阪は、時として夜が更けると、雑魚寝があるし、席貸へ行って夜明かしもするし、――つまり、飽きる所まで、行きつくすことができる(尤も、そうな....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だ」 ようやく葉之助は思い中った。 「危険が去ったとは云われない。今夜はここで夜明かしをしよう」 葉之助は決心した。 体が綿のように疲労れていた。彼は草の....
白い朝」より 著者:豊島与志雄
てきて、不服そうに見向きもしない正夫の肩を、いきなり捉えました。 「ねえ、今晩、夜明かしして……遊びましょうよ。泊っていっても、いいんでしょう。お宅へ……中根の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
晩には瓜畑《うりばたけ》の上に蓆《こも》をかぶせてやらなければならなかったりして夜明かしをすること、いろいろ並べ立ててからついに言い出した。自分には一人の弟があ....