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「夜食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
さなかったと思った。 * * * 夜学校を教えるために、夜食をすますとすぐ白官舎を出た柿江は、創成川っぷちで奇妙な物売に出遇《であ》った....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、四ッ谷の方へ縁附いたのが、一年ぶりで無沙汰見舞に来て、一晩御厄介になる筈で、お夜食が済むと、奥方の仰に因り、お嬢さんのお伴をして、薬師の縁日へ出たのであった。....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
やみはだんだん深まって行った。事務所をあずかる男が、ランプを持って来たついでに、夜食の膳を運ぼうかと尋ねたが、私はひょっとしているのに今さらながら一種の圧迫をさ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
けれど……弥次郎、もう泊まってもよかろう、のう姐さん――女、お泊まりなさんし、お夜食はお飯でも、蕎麦でも、お蕎麦でよかあ、おはたご安くして上げませず。弥次郎、い....
赤外線男」より 著者:海野十三
とい若い婦人にしても、顔面のない屍体を見ると食慾がなくなるだろうと考えて、当直は夜食の親子丼の蓋をとった。 二箸、三箸つけたところへ、署外からジリジリと電話が....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
。この尾行者のあるのに気がついたのは、横浜の銀座といわれるあの賑かな伊勢佐木町で夜食を採り、フラリと外へ出た直後のことだった。それから橋を渡り、暗い公園を脱け、....
少年探偵長」より 著者:海野十三
、親切な老院長が、一晩泊っておいでなさいとすすめてくれた。そして、粗末ながらも、夜食をふるまってくれたのである。 実をいうと、これこそ、一行の思う壺であった。....
地獄の使者」より 著者:海野十三
家政婦は警部の方へちらと目を走らせ、 「いつものように、私は昨夜九時五分過ぎにお夜食の皿やコップなどを盆にのせました。それが最後でございました」 「御主人はいつ....
火星兵団」より 著者:海野十三
物を食べたあとの胸のわるさに、どこか似ていた。千二は、さっき家を出る時に食べた、夜食のかまぼこが悪かったのではないかと思ったほどである。 しかし、これは決して....
紅玉」より 著者:泉鏡花
前に、腹へ底を入れておく相談にはなるまいかな。何分にも空腹だ。 二の烏 御同然に夜食前よ。俺も一先に心付いてはいるが、その人間はまだ食頃にはならぬと思う。念のた....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
何か、最初の内、貴方が御逗留というのに元気づいて、血気な村の若い者が、三人五人、夜食の惣菜ものの持寄り、一升徳利なんぞ提げて、お話|対手、夜伽はまだ穏な内、やが....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、すっと出て来てさ、お前さん。」 お妻は、踊の棒に手をかけたが、 「……実は、夜食をとりはぐって、こっちも腹がすいて堪らない。堂にお供物の赤飯でもありはしない....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく認めて来た。今夜食べたものが好く消化していたら、私もおそらく自殺なんかしないで済んだろう。 ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に入りしが、既往将来の感慨に夢も結ばず。雁の声いとど憐なりし....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
と、これも夜の皿洗いのときに失敬しておいた卵をソバ湯の残りでゆで、寝そべりながら夜食の味を楽しむわけだ。「一日の労苦は一日で足る」。悪いこととは知りつつも、この....