夢殿[語句情報] »
夢殿
「夢殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を約束しました。弁信が留まれば、おのずから清澄の茂太郎も留まります。 法隆寺の
夢殿《ゆめどの》で 浮世烏《うきよがらす》が こう鳴いた おっしゃらしゃらしゃら....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
んに壁画の模写をしているところでも見せてもらって、大いに自分を発奮させ、それから
夢殿《ゆめどの》の門のまえにある、あの虚子の「斑鳩《いかるが》物語」に出てくる、....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
大和の斑鳩といって、今の法隆寺のある所にありましたが、そこの母屋のわきに、太子は
夢殿という小さいお堂をおこしらえになりました。そして一月に三|度ずつ、お湯に入っ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。その矢先折も折から、到底この世にあろうとは思われぬ不可思議な殺人事件が、寺内の
夢殿に起った。そして、端なくもそれが起因となって、推摩居士の本体が曝露されるに至....
「露の答」より 著者:坂口安吾
つづくか知れませんが、私は然し心を動かされませんでした。あれは無限ではないです。
夢殿の観音も見ましたが、私はグロテスクだと思っただけです。私は妹の唇を見ているう....
「回想録」より 著者:高村光太郎
し」が非常によく出来ている。寧ろ「こなし」だけで、部分は大して問題にしていない。
夢殿の救世観音にしても、中宮寺の弥勒にしても、よほど「こなし」が良く出来ている。....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
きたい。法隆寺に安置せられ、世に夢違観音と俗称せられる銅造観世音菩薩立像である。
夢殿、中宮寺を含む法隆寺一郭の中にわれらの美の淵源とすべき彫刻の充満していること....
「ミケランジェロの彫刻写真に題す」より 著者:高村光太郎
新らしい眼と心とを以てもう一度直視することは意味ふかい。 われわれは淵源として
夢殿の救世観世音を持つ。此の東方精神の造型的顕現の特質は幾多の起伏を超えて今新ら....
「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
。画題は〈楊貴妃〉それもあの湯上りの美しい肌を柔らかな羅に包んで勾欄に凭れながら
夢殿の花園を望んで見ると言った構図で、尤も湯上りと言いますと何だか意気に、そうし....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
年六月の史学雑誌には、「法隆寺の最近調査の結果につきて」を、また同六年一月発行の
夢殿には、「斑鳩宮と斑鳩寺に関する雑考」を、また同八年七月の歴史地理には、「法隆....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
と、三月堂の不空羂索観音、聖林寺の十一面観音、薬師寺東院堂の聖観音、中宮寺観音、
夢殿観音など、推古天平の最も偉大な作品は、同じくみな観音である。他に薬師如来の傑....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
こと、園内にはひろやかな池水をたたえ、峰からは滝津瀬のひびきを降し、浮島のなかに
夢殿を、汀には法水院を。そして化水院、無量光院などを朱の橋や廊でつなぎ、つまりは....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
自身の美において偉大である。どこに事えるべき他の大があったであろう。今日法隆寺や
夢殿に残された百済の観音は、支那のどの作品に劣るであろう。またどの作品の模倣であ....