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「夢見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ばかりも精一杯、誰にも見せられます身体ではないんです。」 袖を僅に濡れたる顔、夢見るように恍惚と、朝ぼらけなる酔芙蓉、色をさました涙の雨も、露に宿ってあわれで....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
にす。 女房 貴女、お草臥でございましょう。一息、お休息なさいますか。 美女 (夢見るようにその瞳を※く)ああ、(歎息す)もし、誰方ですか。……私の身体は足を空....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
うござんすけれど、今顔をお見せ申しますと、お慕いなさいます御心から、前後も忘れて夢見るように、袖に搦んで手に縋り、胸に額を押当てて、母よ、姉よ、とおっしゃいます....
春昼」より 著者:泉鏡花
子王の座に朝日影さす、桜の花を衾として、明月の如き真珠を枕に、勿体なや、御添臥を夢見るかも知れぬ。よしそれとても、大慈大悲、観世音は咎め給わぬ。 さればこれな....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
えや失せむと、見る目も危うく窶れしかな。 「切のうござんすか。」 ミリヤアドは夢見る顔なり。 「耳が少し遠くなっていらっしゃいますから、そのおつもりで、新さん....
妖怪学」より 著者:井上円了
字頭立てば旱なり」「鍋墨に火点ずれば雨晴るる」という。ある人の天気を詠ずる歌に、夢見るは雨と日和の二つなり変らぬ時に見るはまれなり 鳥の声すみてかるきは日和なり....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
中に、晴雨を予知するところの歌が出ております。今、その二、三を挙げてみますると、夢見るは雨と日和のふたつなり かわらぬ時に見るはまれなり 鳥の声すみてかるきは....
妖怪談」より 著者:井上円了
かようなわけでありますから、もし心のうちの力と外界刺激の力と同一であったならば、夢見るということはないでありましょうが、内部の力が強いと、さめておるうちにおきま....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ここも長くは続かなかった。インキにまみれて働くのは不満ではないが、輝かしい成功を夢見る自分がこんなところに埋もれて暮すのはたいへんな道草を食っているような気がし....
海底都市」より 著者:海野十三
た。青い皮で作ってある大きな蟇口。 (あっ、蟇口だ! 相当重いぞ!) 僕は夢に夢見る心地で、蟇口をあけた。 (ほほッ、すばらしい! 金貨が入っている!) 本....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
わ」 「まさか――」 と一郎は笑ったが、ジュリアの方はどうしたのか笑いもせず、夢見るような瞳をジッと一郎の面の上に濺いでいたが、暫くしてハッと吾れに帰ったらし....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
を離れると、云われるままに町外れの、小さな二階借の自宅へ引返して来た。そして半ば夢見るような気持で、まだろくに歩けもしない子供を背負ったり、いつも子供を預って貰....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
して、海に面した断崖沿いに一段と嶮しく突出していた。遠く東の海には犬吠が横わり、夢見る様な水平線の彼方を、シアトル行きの外国船らしい白い船の姿が、黒い煙を長々と....
鎖工場」より 著者:大杉栄
て怖れざるを得ない。その破壊を外にして個人の完成を称うるがごとき奴等は、夢の中に夢見る奴等である。 なまけものに飛躍はない。なまけものは歴史を創らない。 俺....
獄中記」より 著者:大杉栄
も分りませんや。何しろ電燈だって初めてここで知ったんですからな。」 ある時彼は夢見るような目つきで電燈を見あげながら言った。 看守がそばにいて、一緒になって....